公的介護保険のサービスを受けるまでの流れ

公的介護保険のサービスを受けるまでの流れ

公的介護保険のサービスを受けるまでの流れ

人間であれば、誰しもがいつかは死を迎えます。その前にほとんどの人が「介護」を受けることになります。介護は、誰しもがいつかは向き合わなければならない問題なのです。

 

介護を受けるとなると、お金のことについて考えなくてはなりません。訪問介護やデイサービスの費用など、介護には何かとお金がかかります。

 

ただ、公的介護保険を活用すれば、私たちの負担を大幅に軽減することができます。公的介護保険は、「国がかけてくれている介護保険」のことです。40歳以上の国民が対象となり、1割の自己負担でさまざまな介護サービスを受けることができます。

 

公的介護保険のサービスを活用するためには、「要介護認定」を受けなければなりません。40歳以上だからといって、どのような人でも1割負担でデイサービスなどの介護サービスを受けることができるわけではないのです。

 

「あなたは介護を受ける必要がある」と国に認められた後に、公的介護保険のサービスを活用できるようになります。

 

今回は、「公的介護保険のサービスを受けるまでの流れ」について解説していきます。あなたの将来のためにも、今のうちからどのような流れで公的介護保険を受けることができるのかを把握しておいてください。

 

公的介護保険のサービスを受けるまでの流れ
公的介護保険のサービスを受けるためには、以下のような流れで申請を行い、要介護認定を受ける必要があります。その後、介護(介護予防)サービス計画書を作成し、1割の自己負担でさまざまな介護サービスを受けることができるようになります。

 

1、 要介護認定の申請……住んでいる市区町村に要介護認定の申請を行います。

 

申請には、「介護保険被保険者証」が必要になります。介護保険被保険者証とは、介護保険の被保険者であることを証明する書類のことです。市区町村より、65歳以上(第一号被保険者)のすべての人に交付されます。

 

また、40歳〜64歳(第2号被保険者)の人は、医療保険証を用いて申請を行います。

 

2、 認定調査の実施……市区町村の調査員が自宅や施設を訪問して、どの程度の介護を受ける必要があるかを調査します。このことを「認定調査」といいます。

 

3、 主治医依頼書の策定……市区町村が介護を受ける人の主治医に依頼書を策定するよう依頼します。

 

4、 要介護の判定……認定調査の調査結果と主治医依頼書の内容を元に、コンピューターが要介護の判定(一次判定)を行います。この基準は全国一律になっています。

 

一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護の判定(二次判定)が行なわれます。

 

5、 要介護認定の決定……市区町村は介護認定審査会の判定に基づき、要介護認定を行います。つまり、「どれくらいの介護を受ける必要があるかが決まる」ということです。ちなみに、申請から認定までは原則として30日以内に行われます。

 

要介護認定は、介護の必要性に応じて「要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5」の7段階に分類されます。介護の必要性がないと判断されれば、「非該当」になります。

 

要介護認定には有効期限があります。新規・変更の申請の場合は原則6ヶ月(状態によっては3〜12ヶ月)、更新の申請の場合は原則12ヶ月(状態によって3〜24ヶ月)となっています。

 

有効期間を過ぎてしまうと介護サービスが利用できなくなります。そのため、有効期間内に認定の更新申請をする必要がなります。身体の状態が良くなったり悪くなったりしたときは、有効期間内でも要介護認定の変更の申請をすることができます。

 

6、 ケアプランの作成……実際に介護サービスを利用するためには、ケアプランを作成しなければなりません。ケアプランには、「介護予防サービス計画書」と「介護サービス計画書」の2種類があります。

 

「要支援1」及び「要支援2」の人は、介護予防サービス計画書を作成することになります。介護を予防するために、どのようなことをすればよいのかを計画します。その作成は、地域包括支援センターに依頼します。

 

「要介護1」から「要介護5」までの人は、介護サービス計画書を作成することになります。その作成は、ケアマネジャーのいる居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)に依頼します。

 

以上のような流れで介護サービスを受けることになります。介護サービスには訪問介護やデイサービス、家事援助、介護の相談などがあります。これらのサービスを1割の自己負担で受けることができるようになります。

 

もし、あなたやあなたの家族が介護を受けることになれば、公的介護保険を利用することは必須になります。訪問介護やデイサービスの費用を自分で全額負担していては、とてつもない出費になってしまいます。

 

実際に要介護認定を受ける手続きなどはそれほど面倒なものではありませんが、どのような流れになるのかを今のうちから把握しておくことで、よりスムーズに介護サービスを受けることができるようになります。

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