個人年金保険の基礎知識:個人年金保険は3種類に分けられる
個人年金保険とは、「個人で年金を積み立てる保険」です。若いときにお金を積み立て、老後にお金を受け取ることができます。
老後には、年金(公的年金)を受け取ることができますが、国の年金制度が今後も問題なく成り立つかはかなり怪しいです。老後に不安を感じる人が、将来の資産を作るために、個人年金保険に加入します。
それでは、その個人年金保険にはどのような種類があるのでしょうか。個人年金保険といっても、さまざまな種類があるので、違いを見極めて加入を検討することが大切です。
今回は、「個人年金保険にはどのような種類があるのか」を解説していきます。
個人年金保険は3種類に分けられる
個人年金保険は、大きく3種類に分けられます。「10年確定年金」、「終身年金」、「変額年金」の3種類です。
1、 10年確定年金……個人年金保険で最も一般的で加入者が多いタイプが「10年確定年金」です。若い頃に積み立てたお金を、老後に10年間かけて受け取ることができます。
例えば、30歳〜60歳まで、毎月3万円を積み立てたとします。積立総額は「3万円×12ヶ月×30年=1,080万円」になります。積立金を、60歳〜70歳の10年間で受け取ることになります。
積立金は運用されるので、増えることが多いのですが、仮に1,080万円のままだとしたら、毎月9万円を受け取ることができます。
2、 終身年金……終身年金は、一生涯年金を受け取ることができます。10年確定年金と違って、受取期間に制限はありません。
一見すると、とても魅力的な年金のように思えますが、デメリットもあります。受取期間に制限がないので、積立総額を大きくしなければならないのです。そうなると、毎月の保険料が高く設定されます。
長生きをすれば、たくさんのお金を受け取れますが、早くに亡くなってしまうと、受取金が少なくなってしまいます。
3、 変額年金……変額年金は、私たちが積み立てた年金を株式や債券などで運用しています。運用実績によって年金額が変動するのです。つまり、受取金額は個人ごとに違います。10年確定年金や終身年金と違って、受取金額が確定していません。
上記の3種類の個人年金保険には、外貨建ての年金もあります。外貨建ての年金は為替の影響を受けるので、個人ごとに受取金額が変わってきます。
個人年金保険には生命保険の機能が備わっている
個人年金保険に加入し、お金を積み立てている間に死亡したら、遺族はそれまでの積立金の相当額を受け取ることができます。この機能は、10年確定年金、終身年金、変額年金とも共通です。
つまり、個人年金保険には生命保険としての機能が備わっているということになります。
しかし、生命保険と大きく違うのが、「個人年金保険に加入してすぐに死亡したら、お金をほとんど受け取ることができない」ということです。そもそも積立金が少ないので、遺族の受取金額も少ないのです。
それに対して、生命保険なら加入してすぐに死亡しても、一定額の保険金を受け取ることができます。万が一に備えるならば、生命保険に加入するべきです
個人年金保険は将来の対策の選択肢の一つでしかない
以上のように、個人年金保険には種類によってさまざまな特徴があります。個人年金保険の加入を検討するなら、将来のライフプランを明確にするべきです。
「老後になったら早い段階で年金を受け取りたい」と考えるのであれば、10年確定年金に加入すればよいですし、「いつまで生きるのか分からないから、一生の安心が欲しい」と考えるのであれば、終身年金に加入すればよいでしょう。
ただ、必ずしも個人年金保険に加入すればよいというわけではありません。
個人年金保険に積み立てるお金があれば、そのお金を自分で運用することもできます。不動産を購入することもできますし、海外の金融機関で積み立てを行うこともできます。そう考えると、「個人年金保険は将来の対策の選択肢の一つでしかない」ということが分かります。
できるだけ多くの情報を集め、広い視野を持ち、将来の資産運用を選択することが重要といえます。
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