不動産を保有することが生命保険の代わりになる
「不動産を保有することが生命保険の代わりになる」と聞いて、どれくらいの人がピン来るでしょうか。あまり印象にないかもしれませんが、不動産には生命保険の機能が備わっています。
今回は、「なぜ不動産が生命保険の代わりになるのか」を解説していきます。
不動産を保有するメリット
不動産の保有には、大きく二つのパターンがあります。「自分や家族が住む場合(住居用)」と「他人に貸す場合(投資用)」です。
自分や家族が住むために家を購入するというのは、誰でも納得できると思います。
それでは、なぜ投資用として不動産を保有する人がいるのでしょうか。それは、以下の3つのメリットがあるからです。
1、 家賃収入……家賃収入を得ることができます。不動産のローンが残っている場合は、家賃収入からローンの支払いを行うので、ほとんど収益はありません。しかし、不動産のローンを払い終えてしまえば、あとは毎月数万円〜数十万円の家賃収入を得ることができます。
「将来の年金の代わりとして、不動産を保有する」という人も多くいます。
2、 節税……ローンの支払いなど、不動産にかかった経費を申請することにより、税金が返ってきます。
例えば、サラリーマンであれば、給与所得から不動産の経費を差し引くことができます。不動産の経費を損失として考えるわけです。それにより、年収が少なくなったと見なされ、税金が返ってくるという仕組みです。
一概には言えませんが、都内のワンルームマンションを保有している場合は、年間20万円程度の税金が返ってきます。
ちなみに、住宅用の不動産には住宅取得控除という制度があり、投資用不動産と同様に税金が返ってきます。
3、 生命保険……不動産の保有者が死亡した場合や高度障害になった場合に、残っているローンを契約している金融機関が支払ってくれます。残された家族は、その後のローンを支払うことなく、不動産を手に入れることができます。
例えば、夫が死亡した場合、妻や子どもに数百万円から数千万円の価値がある不動産が残るということになります。意味合いとしては、生命保険と同じです。住居用不動産でも、基本的にこの保険は適用になります。
生命保険の代わりになる団体信用生命保険
上記で述べたように、不動産には生命保険の代わりとなる保険があります。この保険を「団体信用生命保険」といいます。ほとんどの不動産は、契約時に団体信用生命保険に加入することが条件となっています。
団体信用生命保険は投資用の不動産だけでなく、住居用の不動産でも適用になりますが、家族がその家に住むので、簡単に手放すわけにはいきません。自分たちが住んでいるので、家賃収入を得ることもできません。
そう考えると、投資用と住居用では、生命保険としての意味合いが少し違ってきます。純粋に生命保険の代わりになるのは、投資用の不動産ということになります。
ちなみに、私は大阪と神戸に投資用の不動産を保有しています。民間の保険会社の生命保険に加入していない分、それらの不動産の団体信用生命保険に加入しているのです。私に万が一のことがあれば、「ローンを支払う必要がない大阪と神戸の不動産が残る」というわけです。
家賃収入や節税というメリットがあることを考えると、生命保険に加入する代わりに、投資用の不動産を保有するというのも賢い選択といえます。
『お金のガイドブック』: 無料メルマガ
『お金のガイドブック』:Twitter
Twitterでは「最新の経済、金融事情」について発信してます。 ぜひ、フォローをよろしくお願い致します!関連ページ
- 保険の種類:保険は10種類に分類される
- 保険料の支払方法:月払い、半年払い、年払い、全期前納払い、一時払い
- 保険に加入する前に「生活に必要なお金」を計算してみる
- 保険の掛け方:「掛け捨て型」と「積み立て型(貯蓄型)」の違い
- 積み立て型の保険の「金利」は変わらない
- 保険会社の信用度は格付けによって決まる
- 保険会社の選び方:ソルベンシーマージン比率を見る
- 保険会社は「金融機関」である
- 生命保険の仕組み:生命保険の必要性は人によって異なる
- 生命保険に加入する前に、「障害年金」の仕組みを理解する
- 生命保険に加入する前に、「遺族年金」の仕組みを理解する
- 生命保険の必要性を考える:50歳までに死ぬ確率は3%である
- 医療保険の基礎知識:医療保険は多くの人に必要になる
- 医療保険に加入する前に、「健康保険の仕組み」を理解する
- がん保険の必要性:がんになっても安心して治療と生活ができる
- 学資保険に加入する前に「子どもの教育にかかるお金」を把握する
- 個人年金保険の基礎知識:個人年金保険は3種類に分けられる
- 個人年金保険に加入する前に、老後に必要なお金を計算してみる
- 個人年金保険の選び方:まずは個人年金保険の種類を選択する
- 個人年金保険のメリット、デメリット
- 知っておくべき特殊な個人年金保険
- 個人年金保険の加入率は20〜25%程度である
- 個人年金保険料控除により、税金の還付を受けることができる
- 個人年期保険以外の将来の資産形成法
- 公的介護保険の基礎知識:40歳以上が公的介護保険の対象になる
- 公的介護保険の要介護認定は7段階に分けられる
- 公的介護保険のサービスを受けるまでの流れ
- 介護休業給付金の基礎知識と利用方法
- 民間の介護保険の必要性
- 介護保険を活用する前に、「介護にかかるお金」を把握する
- 火災保険と地震保険の基礎知識
- 公的保険(社会保険)と民間保険の違い
- 保険の種類(図)
- 公立(国立)と私立の学費(図)
- 年齢の変化によるがん死亡率(図)