保険の掛け方:「掛け捨て型」と「積み立て型(貯蓄型)」の違い

保険の掛け方:「掛け捨て型」と「積み立て型(貯蓄型)」の違い

保険の掛け方:「掛け捨て型」と「積み立て型(貯蓄型)」の違い

 

保険の掛け方は「掛け捨て型」と「積み立て型(貯蓄型)」の2種類に大別されます。

 

一見すると、保険機能が付いていて積み立てもできる「積み立て型(貯蓄型)」の方が良いように思えます。しかし、その考えが正しいとは限りません。各々の掛け方にメリット・デメリットがあるため、それらを把握した上で保険を選ぶことが大切なのです。

 

そこで今回は「掛け捨て型と積み立て型(貯蓄型)のメリット・デメリット」について解説していきます。それぞれの特徴をきちんと把握し、自分にとってベストな保険に加入するようにしましょう。

 

 

「掛け捨て型」のメリット、デメリット

掛け捨て型はその名の通り、保険料(掛け金)を掛け捨てます。保険料を積み立てるわけではないので、保険金が支払われるのは保険が適用されるときだけです。

 

例えば、生命保険であれば加入者が死亡したときや重度障害になったときに、受取人に保険金が支払われます。それ以外のケースで、加入者や受取人に保険金が支払われることはありません。

 

掛け捨て型のメリットは保険料が安いことです。満期に向けてお金を貯めるわけではないので、必要最低限の掛け金だけを支払います。

 

一方、掛け捨て型のデメリットは保険金を受け取れないケースがあることです。

 

例えば、掛け捨て型の医療保険であれば、保険金が支払われるのは入院や手術のときだけです。掛け捨て型に満期はないので、保険が適用されることがなければ保険金を受け取ることはできません。

 

保険金を受け取れなかった場合、「損をした」と思うかもしれませんが、その考え方は間違っています。保険はあくまで保険です。保険の本来の目的を考えると、「保険金を受け取れなかった=何事もなかった」ということになります。

 

不必要に高額な保険に加入していなければ、保険金を受け取れなかったことが一番良い結果といえるのです。

 

 

「積み立て型(貯蓄型)」のメリット、デメリット

積み立て型(貯蓄型)は、保険料を積み立てます。そして、保険が適用されたときや満期を迎えたときに保険金が支払われます。「保険に加入しつつ、貯蓄をしている」というイメージを持ってください。

 

例えば、医療保険であれば加入者が入院や手術をしたときだけでなく、満期を迎えたときにも保険金が支払われます。

 

※ 入院や手術をしたときに支払われる保険金は金額が決まっていますが、満期に支払われる保険金は変動することがあります

 

積み立て型のメリットは必ず保険金を受け取れることです。保険会社が積立金を運用しているため、運用成績が良ければ満期に戻ってくる保険金も多くなるのです。

 

一方、積み立て型のデメリットは保険料が高いことです。積み立て型は保険機能に加えて貯蓄機能も備わっています。そのため、必然的に保険料が高くなるのです。

 

満期の受取金額が積立金額より少なくなることは考えにくいですが、お金を長期間拘束されることになります。

 

資産を増やす方法は、積み立て型の保険だけではありません。株や投資信託、不動産など、さまざまな金融商品があります。保険機能が付いているとはいえ、あえて利率の低い積み立て型の保険で資産形成をする必要はありません。

 

 

 

保険の掛け方は「掛け捨て型」を選んだ方がよい

ここまでのお話で、掛け捨て型と積み立て型(貯蓄型)のメリット・デメリットが理解できたと思います。それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、どちらの掛け方を選べばよいか考えてみましょう。

 

ただ、私としては「掛け捨て型」をおすすめします。なぜなら、前述のとおり、積み立て型の利率はとても低いからです。

 

例えば、生命保険機能が付いた個人年金保険であれば、25〜30年の利回りが10〜20%程度です。例えば、1,000万円を積み立てた場合、25〜30年後に1,100〜1,200万円になるということです。預貯金よりは利率が良いですが、優良な投資信託などに比べると、驚くほど低い利率になっています。

 

あなたの大切なお金を積み立て型の保険で塩漬けにする必要はありません。掛け捨て型の保険に加入し、必要最低限の保険料を設定しましょう。そして、余剰金を使って、他の資産運用を実践してください。

 

 

保険の営業マンは積み立て型(貯蓄型)を勧めてくる

最後に掛け捨て型と積み立て型の違いを、保険の営業マンの視点から見ていきます。

 

保険の営業マンは基本的に積み立て型の保険を勧めてきます。なぜなら、積み立て型の方が、保険料が高いからです。そして、顧客に高額な保険に加入にしてもらった方が、営業マンの成果は大きくなるのです。

 

例えば、以下のケースでは基本的には同じ成果になります。
・月々1万円の保険を3件契約した
・月々3万円の保険を1件契約した

 

つまり、高額な保険に加入してもらったほうが、簡単に成果が上がるというわけです。

 

そして、保険の営業は成果報酬であることが多いため、成果が上がるほど報酬も上がります。成果が直接的に報酬に反映するからこそ、営業マンは高額な保険を提案してくるのです。

 

このような裏事情を考えると、積み立て型の保険ばかり勧めてくる営業マンは信用できません。その営業マンのいうことを真に受けてしまうと、無駄に高額な保険に加入してしまう危険性があります。

 

保険の営業マンから話を聞くときは、「高額な保険であるほど、この営業マンの収入が増える」ということを念頭においておきましょう。

 

 

まとめ

・掛け捨て型のメリットは保険料(掛け金)が安いことである。掛け捨て型のデメリットは保険金を受け取れないケースがあることである。

 

・積み立て型(貯蓄型)のメリットは必ず保険金を受け取れることである。積み立て型(貯蓄型)のデメリットは保険料(掛け金)が高いことである。

 

・保険は掛け捨て型を選択し、他の資産運用で資産形成を行うべきである

 

・保険の営業マンは報酬を上げたいので、積み立て型(貯蓄型)の保険を勧めてくる

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