個人年金保険の選び方:まずは個人年金保険の種類を選択する
将来の資産形成の選択肢の一つとして、個人年金保険があります。個人年金保険とは、「個人で年金を積み立てる保険」です。若いときに自分でお金を積み立て、老後にお金を受け取ることができます。
もし、個人年金保険に加入するとしたら、どのような選び方をするべきなのでしょうか。しっかりとした手順を踏むことにより、自分に合った個人年金保険を選択することができます。
今回は「個人年金保険の選び方」について解説していきます。
個人年金保険の選び方
個人年金保険の選び方には順番があります。下記のような手順で保険内容を決めてください。
1、 個人年金保険の種類を選択する……まずは「個人年金保険の種類」を選択します。個人年金保険には、「10年確定年金」、「終身年金」、「変額年金」の3種類があります。その中から自分のライフスタイルに合った保険を選びます。
「老後になったら、早くお金を受け取りたい」と考えるのであれば、10年確定年金を選択すればよいですし、「一生涯、お金を受け取り続けたい」と考えるのであれば、終身年金を選択すればよいです。
さらに、低解約返戻金(へんれいきん)型終身保険や利益変動型終身保険などの特殊な個人年金保険もあるので、それらを検討してもよいでしょう。
ここで、注意してもらいたいのが、「保険会社や保険商品から選んではいけない」ということです。必ず、保険の種類から選んでください。
一般の人であれば、保険の知識に疎い人がほとんどです。そのため、初めて会った保険の営業マンの話に大きな影響を受けます。そして、その営業マンから紹介された保険に加入するケースが多いです。
そうなると、一種類の保険しか知らない状態で保険に加入することになります。詳細な違いも含めると、個人年金保険だけでもたくさんの種類があります。後々に、もっと自分に合った保険が見つかったということもあり得ます。
そうならないためにも、まずは保険の種類を選択し、その後でその保険を取り扱っている保険会社や保険商品を決めるようにしましょう。
2、 保険期間を選択する……保険の種類を選んだら、次は「保険期間」です。何歳からお金の受取りを開始し、その後いつまでお金を受け取れるかを決めましょう。
最も一般的なのは、60歳からお金の受取りを開始し、その後10年間で受け取りを完了するパターンです。
3、 保険会社と保険商品を選択する……個人年金保険の種類と保険期間を決めてから、「保険会社と保険商品」を選択します。上記で述べたように、初めに保険会社と保険商品を選んではいけません。
保険商品を選択するポイントの一つとして、返戻率(へんれいりつ)があります。返戻率とは、積立金額に対して、受取金額がどれくらいになるかを利率で示したものです。
例えば、積立金額が1000万円で、受取金額が1200万円であれば、返戻率は120%ということになります。
保険商品によって違いますが、返戻率はどの商品もだいたい110%程度です。もちろん、返戻率が大きいほど、老後にお金を多く受け取ることができますが、その分積立金額が大きかったり、解約金したときにあまりお金が返ってこなかったりと、デメリットが大きい場合があります。
4、 保険料の支払方法を選択する……最後に「保険料の支払方法」を選択します。保険料は毎月支払うものと思われるかもしれませんが、さまざまな支払方法があります。
毎月支払う「月払い」だけでなく、半年分をまとめて支払う「半年払い」、一年分をまとめて支払う「年払い」、一生分をまとめて支払う「一時払い」などの支払方法があります。
その中でも、支払いが分かりやすいので、月払いか年払いを選択する人が多いです。年払いのほうが、保険料が少なくなるので、必然的に返戻率も大きくなります。
個人年金保険は、若い頃から老後まで、数十年に渡って付き合っていく保険です。そのため、選択を間違えると取り返しがききません。
老後になって後悔しないためにも、個人年金保険の選び方をしっかりと理解し、自分にとってベストな保険を選択してください。
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