医療保険に加入する前に、「健康保険の仕組み」を理解する

医療保険に加入する前に、「健康保険の仕組み」を理解する

医療保険に加入する前に、「健康保険の仕組み」を理解する

 

あなたは医療保険に加入しているでしょうか? 病気やケガに備えて加入している人もいれば、必要性を感じていながらもまだ加入していない人もいると思います。

 

医療保険にかけるお金は人それぞれですが、なかにはかなりの金額を医療保険に費やしている人がいます。ただ、高額な医療保険に加入してしまうと、無駄な出費になることが多いです。なぜなら、私たちはすでに健康保険に加入しているからです。

 

健康保険とは「病気やケガ、死亡、分娩などに対し、保険給付を行う公的保険制度」のことです。国民皆保険制度により、すべての日本人が健康保険に加入しています。病気やケガをしたときに、病院での自己負担が少なく済むのは、健康保険があるからなのです。

 

このような制度があるため、医療保険に加入する前に、健康保険の仕組みをよく理解しておく必要があります。日本の健康保険制度はとても充実しているので、万が一のときに強い味方になってくれます。

 

今回は「健康保険の種類」や「健康保険の保障内容」、「医療保険の必要性」などについて解説していきます。健康保険は私たちも日頃から利用している制度なので、その概要を改めて把握しておきましょう。

 

 

健康保険の種類

健康保険は加入者の違いによって、以下の2種類に大別できます。

・健康保険(社会保険)……会社員、公務員が加入する健康保険
・国民健康保険……自営業、学生、無職などが加入する健康保険

健康保険の場合は加入者と事業主(会社)が保険料を半分ずつ負担します。そのため、健康保険の方が個人の保険料負担額は少なくなります。また、健康保険では扶養家族(配偶者や子どもなど)の保険料を払う必要がありません。全体を通して、会社員や公務員が加入する健康保険(社会保険)の方がメリットが大きいと認識しておいてください。

 

 

健康保険の保障内容

健康保険には「療養の給付」、「入院時食事療養費」、「高額療養費」という3つの保障があります。これらの保障があるおかげで、医療機関での自己負担が少なくなるのです。

 

1、 療養の給付

私たちが病院などの医療機関で診察を受けたときに、医療費の自己負担が3割(高齢者は1割もしくは2割)ですむのは、健康保険が残りの医療費を負担してくれるからです。これはあなたにも馴染みのある制度だと思います。

 

海外では日本のような制度がない国も多いです。そのような国の病院で診察を受けると、医療費すべて(10割)を払わなくてはなりません。私たちには考えられませんが、「一回の虫歯治療に10万円もかかった」というケースもあるのです。

 

このように、世界と比べると日本の健康保険制度が充実していることが分かります。病気やケガをしたときに療養の給付を受けるためにも、健康保険料はきちんと払うべきなのです。

 

2、 入院時食事療養費制度

病気やケガなどで入院すると食事代がかかります。そして、食事代の自己負担には上限があります。その額は一食あたり360円です。つまり、1ヶ月の食事代は32,400円(360円×3食×30日)ほどです。残りは健康保険が負担してくれます。

 

※ 入院時食事療養費は所得や住民税額、過去1年間の入院日数などによって変動します。基本的には360円と覚えておいてください。

 

3、 高額療養費制度

1ヶ月あたりの医療費の自己負担には上限があります。もし、その上限を超えて医療費を払った場合は、超過分の払い戻しを受けることができます。そして、その上限額は以下の計算式で決まります。

80,100円 +(総医療費−267,000円)× 1%

仮に月の医療費が50万円かかった場合、「80,100 +(500,000−267,000円)× 1%」と計算され、82,430円が上限金額になります。

 

この計算式は年齢や所得によって異なりますが、多くの人がこの式に当てはまります。そのため、自己負担の上限は月々8万円くらいになる人が多いです。

 

さらに、自己負担の上限を超えた月が1年間に3回あった人は、4回目からの上限金額は44,400円になります。この金額も年齢や所得によって変動します。

 

 

医療保険の必要性

ここまでお話してきたように、健康保険制度が充実していることを考えると、自己負担はそれほど高額にはなりません。仮に1ヶ月間入院しても、高額療養費制度と入院時食事療養費制度があることを考えると、医療費と食事代を合わせて10万円程度ですみます。

 

そのため、高額な医療保険に加入する必要はありません。ファイナンシャルプランナーの中にも、「医療保険に加入する必要はない」と考えている人がいるぐらいです。

 

ただ、長い人生では誰もが何かの病気にかかります。がんなどの重病になってしまうと、収入も途絶えることもあるため、健康保険だけではお金が足りなくなる可能性があります。

 

保険の本来の目的である「安心を買う」ということを考えると、医療保険には加入しておいたほうがよいでしょう。ちなみに、私は月々の保険料が数千円の「掛け捨て型の医療保険」に加入しています。これくらいの掛け金でも、私にとっては十分な保障を得ることができます。

 

むやみに高額な医療保険をかけるのではなく、「どれだけ健康保険で補えるか」を考えてから、自分にとってベストな医療保険に加入するようにしましょう。

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