投資と資産運用の違い:定義、リスク、時間
「投資」と「資産運用」は同じ意味で使われることがあります。場合によっては、どちらの言葉を使っても意味が通じるので問題ありません。
しかし、実際は投資と資産運用には違いがあります。その違いを知っておけば、お金の知識を身に付けるときに、違和感なく理解することができます。
そこで今回は、投資と資産運用の違いである「定義、時間、リスク」について解説していきます。この記事の内容を理解すれば、あなたも投資と資産運用を使い分けられるようになるはずです。
投資と資産運用の違い その1:定義
投資とは「利益を得ることを目的とし、株や債券などの金融商品、事業などに資金を投じること」です。「新興国の株式に投資する」や「東京の不動産に投資する」のような使われ方をします。
それに対して資産運用とは「自分が持っている資産を増やす、もしくは減らさないことを目的とし、投資や貯蓄をすること」です。ただ預貯金しておくだけでも、資産運用をしていることになります。
このように、「投資とは資産運用の方法の一つ」になるのです。
投資と資産運用の違い その2:リスク
あなたは投資と資産運用ではどちらのリスクが大きいと感じるでしょうか?
おそらく、ほとんどの人が「投資の方がリスクが大きい」と思うはずです。そのイメージの通り、「リスクが大きいものを投資」、「リスクが小さいものを資産運用」と分けることもあります。
例えば、株で運用する場合も、リスクに対する考え方で使う言葉が変わります。株のリスクが大きいと考えている人は、「私は株に投資をしている」といいます。それに対して、株のリスクが小さいと考えている人は、「私は株で資産運用をしている」といいます。もちろん、このリスクは株で運用している人の考え方の違いであり、運用スタイルの違いでもあります。
そして、日本人はどちらかというと資産運用を好む傾向にあります。なぜなら「リスクを背負いたくない」という考えの人が多いからです。
投資と資産運用の違い その3:時間
投資という言葉は短期間で完結する場合に使われることが多いです。「株を購入して3ヶ月後、価値が2倍になったので、すべての株を売却した。私は株式投資によって大きな利益を得た」のようなケースです。
それに対して、資産運用という言葉は長い時間を要する場合に使われることが多いです。「不動産を購入し、30年間に渡って家賃収入を得ることができた。私は不動産運用によって大きな利益を得た」のようなケースです。
このように、要する時間の違いが投資と資産運用の違いといえます。もちろん、投資と資産運用を分ける明確な基準があるわけではありません。あくまでこのように捉えられることが多いというだけです。また、投資や資産運用を実践している人の感覚によっても、使われる言葉が変わります。
以上のように、投資と資産運用には「定義」、「リスク」、「時間」という違いがあります。これらの違いを理解することで、状況に応じてどちらの言葉が当てはまるのか分かるようになります。本などで勉強する場合も、より深く読み解くことができるはずです。
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