「投資」と「投機」の違い
日本では「投資は怖い」というイメージを持っている人が多いです。しかし、それは「投機」のことを「投資」と勘違いしている場合があります。投機と投資は根本的に別物です。
もちろん、投資にもリスクは付きものです。必ずうまくいくという保証はありません。ただ、投機とは違い、さまざまな要因や予測を元に成功率を上げることができます。
今回は「投機と投資の違い」について解説していきます。今まで投機と投資を同じものと認識していたかもしれませんが、この記事を読めばその違いをクリアにできるはずです。
目次
1、「投機」はギャンブルであり、ゼロサムゲームである
2、「投資」には経済成長の裏付けがある
3、まとめ
「投機」はギャンブルであり、ゼロサムゲームである
投機とはギャンブルのことです。勝つための裏付けがあるように見えて、実際は何もありません。
ギャンブルの分かりやすい例として、丁半博打があります。「丁」が出るか「半」が出るかは完全に運です。勝つ要素も負ける要素も運しかありません。
そして、投機とはゼロサムゲームのことでもあります。ゼロサムとは「合計が0」という意味です。
例えば、麻雀は代表的なゼロサムゲームです。何時間ゲームをしようが、4人の合計収支は0のままです。参加者同士でお金のやり取りをしているにすぎません。
また、FXもゼロサムゲームに該当します。FXとは「ドルやユーロなどの外貨を売買する取引」のことです。為替の変動を利用して利益を出すことができます。
FXは為替取引であるため、あなたが得をすれば、世界の誰かが損をすることになります。反対に、あなたが損をすれば、世界の誰かが得をすることになります。FXは通貨間で価値のやり取りをするため、利益と損失を合わせるとゼロサムになるのです。
そして、競馬、競輪、競艇、宝くじ、パチンコ、カジノなどは、参加者だけでなく主催者を含めてゼロサムゲームを行うことになります。主催者は勝つことが決まっているので、ほとんどの参加者は損をすることになります。参加者は主催者に搾取された残りのお金を取り合っているからです。
このようなギャンブルは楽しむために行うのはよいかもしれませんが、稼ぐためや資産を守るために行うものではありません。
ただ、ごく一部ですがギャンブルで稼いでいる人もいます。パチンコで生計を立てているパチプロがこれに該当します。ただ、そのような人はほんの一握りしかいません。一生勝ち続けられるノウハウは存在しないので、いつまでもパチプロとして生活していくことはできません。
仮にある程度の期間稼ぎ続けることができたとしても、それは労働収入と変わりません。毎朝パチンコ店に並ぶくらいなら、普通に職について働いたほうがよいです。
このように、投機はギャンブルでありゼロサムゲームでもあります。そのため、投機にお金を使っても何の意味もありません。投機ではなく、投資にお金を使う必要があるのです。
「投資」には経済成長の裏付けがある
投資は資産運用の一種です。投機(ギャンブル、ゼロサムゲーム)とは根本的な違いがあります。
投資には経済成長の裏付けがあり、市場が成長することにより参加者全体が得をすることができます。市場自体が大きくなるため、ゼロサムゲームにはなりえないのです。
例えば、以下のようなケースが投資の具体例になります。
・新興国の人口が増える → 新興国の経済が発展する → 新興国の企業が成長する→ 今のうちに新興国企業の株式を購入する
・大阪の北区は将来的に人口が増えると予測されている。さらに、駅前の再開発も計画されている → 地価や家賃が上がっていく可能性が高い → 今のうちに大阪の北区の不動産を購入する
このように、投資は経済成長に基づいて行うことが大原則になります。必ずうまくいくわけではありませんが、成功率を高めることは十分に可能です。
以上のように、投機(ギャンブル、ゼロサムゲーム)と投資(資産運用)には明確な違いがあります。もしあなたが投機しかしていないのであれば、資産を増やすことは不可能です。
まずは、あなたがお金を使おうとしているものが投機か投資かをしっかりと見極めてください。そして、必ず投資を選択し、実践するようにしてください。
まとめ
・投機とはギャンブルのことである。勝つための裏付けがあるように見えて、実際は何もない。
・投機とはゼロサムゲームのことである。競馬、競輪、競艇、宝くじ、パチンコ、カジノなどは、参加者だけでなく主催者を含めてゼロサムゲームを行っている。
・投資には経済成長の裏付けがある。市場が成長することにより、参加者全体が得をすることができる。
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