値動きの激しい金融商品は「分散」して買うべきである
どのような金融商品であっても、将来的に価値が上がるか下がるかを完全に見極めるのは不可能です。ある程度予測することはできますが、実際にどうなるかは後で振り返ってみないと分かりません。
仮に金融商品の価値が下がっても、少しの損失ならあまり問題にはなりません。ただ、値動きの激しい金融商品であれば、価値が大きく下がることもありえます。
それでは、失敗したときのリスクを考えると、そのような商品には手を出さない方がよいのでしょうか?
必ずしもそうとはいい切れません。値動きの激しい商品はリターンも大きいため、将来の資産形成に大きく役立つ可能性があるからです。そして、とある方法を用いれば、値動きの激しい金融商品を購入しても、損失のリスクをかなり下げることができるのです。
今回は「値動きの激しい金融商品の買い方」を紹介していきます。また、リスクを下げることができる理由も、合わせて解説していきます。値動きの激しい金融商品の購入を検討している人は、ぜひ今回の内容を参考にしてください。
値動きの激しい金融商品の価格変動は予測できない
下図のように、非常に値動きの激しい金融商品があるとします。今回はどこか一つのポイントで商品を買い、どこか一つのポイントで商品を売ると仮定します。
仮にBのポイントで商品を買い、Cのポイントで売れば大儲けすることができます。しかし、Aのポイントで商品を買い、Bのポイントで売ってしまうと大損してしまいます。
「そんなことするわけない」と思うかもしれませんが、それは価格の推移が分かっているから言えることです。実際は、金融商品の価格がどのように変動するかは誰にも分かりません。
Aのポイントで買った商品の価格が下がり続けていたら、どうしても不安になってしまいます。これ以上価格が下がるのに耐え切れず、商品を売却してしまうかもしれません。ただ、これではギャンブルをしているのと同じです。
それではいったいどのような買い方をすれば、このような商品でも損するリスクを下げることができるのでしょうか?
分散して買うことで、損失のリスクを下げることができる
値動きの激しい金融商品は複数回に分けて購入することで、損失のリスクを下げることができます。そして、その回数は多ければ多いほどよいです。
例えば、Cのポイントになるまでに、10回に分けて金融商品を購入したとします。どのタイミングで買っても、Cのポイントですべての商品を売ることで、確実に利益を出すことができます。
「今までの投資金額」と「保有している金融商品の数」、「現在の商品価格」を比較すれば、利益が出るタイミングは簡単に分かります。
このことについて、具体例を踏まえて考えてみましょう。
今までの投資金額:100万円
保有している金融商品の数:10個
現在の商品価格:12万円
このタイミングで保有している金融商品をすべて売却した場合、120万円を手に入れることができます。今までの投資金額が100万円であるため、売却した瞬間に利益が確定します。
このように、値動きが激しい商品は分散して購入し、利益が出るタイミングで売り抜くようにしましょう。
ただ、いつまでも価格が下がり続ける商品は、分散して買い続けても無意味です。誰しもがそのような商品を買わないようにしていますが、どうしても価格が下がり続けてしまうことがあります。
そのような事態を防ぐためには、複数の金融商品を買うしかありません。どれか一つの商品の価格が下がっても、他の商品の価格が上がれば、全体としての価値を維持できるからです。
ただ、個人で複数の金融商品を買うのは大変です。それなりの資金が必要になりますし、手間もかかります。そのため、投資信託などを活用し、ファンドマネージャーに分散投資してもらう方法をおすすめします。
※ ファンドマネージャー:金融機関に所属している投資のプロフェッショナル。顧客から預かった資産を含め、金融機関の資産運用を任されている
世界の人口はこれからも増えていくため、世界経済も成長していきます。ファンドマネージャーがそのような市場で価値が下がり続ける商品を選んでしまうことはほとんどありません。また、仮にそのような商品を選んでしまったとしても、ファンドマネージャーは複数の金融商品を扱っているため、その損失を挽回できるのです。
以上のように、値動きの激しい金融商品は分散して購入することが重要になります。そして、実際にそのような運用を行うためには、投資信託などの金融商品を活用する必要があります。
今回紹介した分散投資のように、市場の成長や金融商品の買い方などをきちんと考えて運用を行えば、資産を増やすことはさほど難しいことではありません。
まとめ
・値動きの激しい金融商品の価格変動は予測できない。
・値動きの激しい金融商品は複数回に分けて購入することで、損失のリスクを下げることができる。
・「今までの投資金額」、「保有している金融商品の数」、「現在の商品価格」を比較すれば、利益が出るタイミングは簡単に分かる。
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