ニュージーランドは安定して資産運用ができる国である
資産運用をする上で、海外に目を向けることはとても大切です。日本での運用だけでは、資産が増えるのに限界があるからです。その理由は将来の日本経済の衰退を考えれば、容易に分かります。
海外の投資先の一つとして「ニュージーランド」があります。ニュージーランドというと「羊がたくさんいるのどかな国」というイメージがあるかもしれません。
ところが、実際はさまざまな産業や名産を持っている「活気がある国」なのです。そして、金融関連事業もとても充実しています。
今回は「ニュージーランドの概要」、「ニュージーランドの歴史」、「ニュージーランドの金融情勢」などについて紹介していきます。金融情勢などの意外な一面を知ると、ニュージーランドに対する見方も変わってくると思います。
目次
1、ニュージーランドの概要
2、ニュージーランドの歴史
3、ニュージーランドの金融情勢
4、まとめ
ニュージーランドの概要
ニュージーランドは南半球のオーストラリアの隣に位置する島国です。隣の島国といっても、オーストラリアからは2,000kmも離れています。2,000kmというと、東京から北京くらいの距離になります。
公用語は基本的に英語です。マオリ語やニュージーランド手話という独特な言語も使われることがあります。また、通貨はニュージーランドドル(NZD)です。
ニュージーランドの面積は268,680km2であり、日本の面積から北海道を引いたくらいの大きさです。人口は約470万人で、福岡県の人口よりすこし少ないくらいです。そのため、人口密度は日本の5%程度しかありません。
主都はウェリントンですが、最大の都市はオークランドです。ちなみにオークランドは昔の首都でした。また、オークランドには南半球で最も高い建物である「スカイタワー(328m)」があり、有名な観光名所となっています。
ニュージーランドにも日本同様に四季があります。ただ、南半球に位置するため、日本とは真逆の季節になります。12月〜2月が夏、3月〜5月が秋、6月〜8月が冬、9月〜11月が春のようになっています。
ニュージーランドの特徴は何といっても雄大な自然です。そのため、映画のロケに使われることもよくあります。「ロード・オブ・ザ・リング」や「ラストサムライ」などの有名作品も、ニュージーランドでロケが行われました。
また、スポーツではラグビーが有名です。「オールブラックス」というニュージーランド代表のチームは、世界最強といっても過言ではないほどの戦績を残しています。
試合前に選手たちが必ず踊る「Haka(ハカ)」という踊りは、ニュージーランドの先住民族であるマオリ族の舞踊です。テレビなどで、屈強なラガーマンが踊っているのを見たことがある人もいると思います。
ニュージーランドの歴史
一般的に歴史が浅いと思われているニュージーランドですが、原住民であるマオリ族は1000年以上前から現地で暮らしてきたといわれています。マオリ語ではニュージーランドのことを「Aotearoa」と呼びます。「白く長い雲のたなびく地」という意味です。
ニュージーランドは1642年にオランダ人のエイベル・タズマンにより発見されました。
その後、1769年にイギリス人のジェームス・クックが訪れ、英語で「New Zealand(New Sea Land)」と名付けたのが、現在の国名の由来といわれています。
1840年にはイギリス政府と先住民族マオリ族の間でワイタンギ条約が結ばれました。この条約によって、ニュージーランドがイギリス直轄の植民地となったのです。ただ条約締結後でも、イギリスの入植者とマオリ族の間で土地の所有権をめぐって紛争が勃発したことがありました。
ニュージーランドの金融情勢
ニュージーランドの金融情勢において、まず理解すべきことは「経済の原動力が何か」ということです。
ニュージーランドは農業などの一次産業が経済の基礎となっています。実際に酪農製品においては世界最大の輸出国です。また、国内の食糧自給率は300%です。
リーマン・ショックなどの世界的な金融危機が起きても、ニュージーランドに対する影響は他の先進国よりもかなり少なかったといわれています。金融機関や製造業の規模が小さく、コモディティ(農作物や貴金属など)に特化していたことが理由です。
そのため、ニュージーランドはリーマン・ショック以降、初めて金融政策を引き締めた先進国となりました。
また、ニュージーランドの政策金利は2%程度で、他の先進国よりも比較的高い値となっています(日本やアメリカ、EUなどは0.1〜0.5%程度)。そのため銀行預金の金利も高く、世界中の投資家が分散投資先の一つとしてニュージーランドを選んでいます。
経済や政治情勢が安定していることや治安の良さなども投資家に好まれる理由です。さらに、相続税・贈与税などがないというメリットもあるので、ニュージーランドに移住する富裕層も増えてきています。
そして、ニュージーランド政府は海外からの投資を奨励しています。そのため、国外の人でも資産運用を行いやすいシステムが整っています。
ただ、安易にマネーロンダリング(犯罪などによって不当に得たお金の出どころを分からなくし、正当に得たお金と見せること)が行われないように、ニュージーランド非居住者が口座開設を行う際は最低2つの本人確認書類の提出が求められます(パスポートと免許証など)。
ちなみに私はニュージーランドの金融機関に知人がいます。ニュージーランドでの資産運用について教えてもらうのですが、軒並み高単価な投資商品が多いです。個人で行う場合でも最低800万円程度は必要になるので、一般の人が投資を行うのは難しいかもしれません。
今回はニュージーランドの概要、歴史、金融情勢についてお話させていただきました。特に金融情勢に関しては「イメージと違った」という人も多いと思います。このように金融の意識を持って世界の国々を見ることは、お金の知識を身に付ける良い方法といえます。
まとめ
・ニュージーランドは金融関連事業がとても充実している。
・リーマン・ショックなどの世界的な金融危機が起きても、ニュージーランドに対する影響は他の先進国よりもかなり少なかった。
・高単価な投資商品が多いため、一般人がニュージーランドで資産運用を行うのは難しい。
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