相続にかかるお金:相続税がかかる基準を把握する

相続にかかるお金:相続税がかかる基準を把握する

相続にかかるお金:相続税がかかる基準を把握する

 

あなたの両親や配偶者が亡くなると、その人の遺産を受け継ぐことになります。このことを「遺産相続」といいます。

 

どれくらいの遺産を受け取れるのかは、「亡くなった人と残された家族の関係性」および「残された家族の人数」によって異なります。

 

例えば、夫と妻と子ども2人の4人家族がいて、夫が亡くなったとします。その場合は妻が遺産の1/2、子どもたちが遺産の1/4ずつを受け取ることになります。ただ、遺言書を書いていれば、遺産の配分を自由に決めることができます。

 

また、遺産相続において受け継ぐのは財産だけではありません。借金も受け継がなければならないのです。当たり前ですが、借金は返済しなければいけません。そのため、残された家族に借金の返済義務が生じるのです。

 

それでは、亡くなった人が借金をしていなければ、相続においてお金の心配をする必要はないのでしょうか?

 

実は、借金がなくても払わなくてはいけないお金があります。それは「相続税」です。遺産を受け継ぐときに税金が発生してしまうのです。家族を亡くした上に、税金まで払わないといけないのは納得いかないかもしれませんが、法律でそのように決まっているため仕方がありません。

 

相続税は大きな額になることもあります。そのため、家族の誰かが亡くなる前に相続税のことを考えておかないと、いざというときに対応することができません。

 

そこで今回は「相続税の基礎知識」や「相続税の支払い対象者」などについて解説していきます。あなたの家族が亡くなったときに備えて、今のうちから相続税の知識を深めておきましょう。

 

 

 

相続税の基礎知識

相続税とは「遺産を受け継いだときに発生する税金」のことです。「遺産=収入」とみなされるため、税金がかかるというわけです。

 

ただ、遺産を受け継いだからといって、相続税の支払義務が必ず生じるわけではありません。なぜなら、相続税には基礎控除(遺産総額から一定の金額を差し引くこと)があるからです。基礎控除があるため、見かけ上の遺産価値を少なくすることができ、それによって税金が安くなるのです。

 

相続税の基礎控除は、「3,000万円+600万×法定相続人の数」と決まっています。このようにいわれてもイメージしにくいと思うので、分かりやすい例を以下で解説していきます。

 

例えば、夫が亡くなり、妻と子ども2人が残されたとします。この場合、基礎控除は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」となります。つまり、夫の遺産が4,800万円以下であれば、相続税はかからないのです。

 

このような具体例を見ると、「さすがに両親や配偶者に4,800万円も預貯金があるとは思えない」と安心するかもしれません。しかし、遺産とみなされるのは預貯金(現金)だけではありません。不動産(土地、建物)や車、株式、債券なども遺産になるので、それらも含めた全財産が相続税の対象になると覚えておきましょう。

 

 

相続税の支払い対象者は増えている

2014年までは、基礎控除は「5,000万円+1000万円×法定相続人の数」と定められていました。そのため、上記の例では「5,000万円+1000万円×3人=8,000万円」までは基礎控除となり、相続税がかかりませんでした。

 

その後、2015年に相続税の税制が改正となり、基礎控除が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に変更されました。基礎控除の金額が下がったため、相続税を払わなくてはならないケースも増えてしまったのです。

 

2014年までは、相続税の支払い対象となる人は5%程度しかいませんでした。しかし、法改正の影響により、その数は一気に約20%まで増加しました。

 

今後はさらに基礎控除の基準が引き下げられるはずです。国としてはできるだけ基礎控除を低くし、相続税を集めたいからです。そのようになった場合、相続税を払うことになる人はさらに増えていくことになります。

 

それでも、現状では約80%の人は相続税を払う対象にはなりません。ただ、その家庭が保有している資産額によって支払い対象となることもあるので、万が一のときのために相続税が発生するかを確認しておくことをおすすめします。

 

人は生きていくときにたくさんのお金がかかります。さらに、死を迎えたときも葬式の費用がかかります。そして死後においても、相続税がかかるのです。

 

相続は誰もが関わらなければならない問題です。場合によっては、遺産配分について身内同士で揉めることもあります。大切な家族が亡くなってから揉めていたのでは、故人も浮かばれません。

 

そうならないためにも「どのように遺産を配分するのか」や「相続税を払う対象となるのか」などをしっかりと把握しておく必要があります。

 

家族と相続の話をするのはあまり気分が良くないかもしれませんが、あなたのためにも家族のためにもきちんと話し合っておくことが大切です。

 

 

まとめ

・相続税とは「遺産を受け継いだときに発生する税金」のことである。

 

・相続税には基礎控除(遺産総額から一定の金額を差し引くこと)がある。その額は「3,000万円+600万×法定相続人の数」である。

 

・相続税の基礎控除があるため、現状では約80%の人は相続税を払う対象にはなっていない。

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