出産でもらえるお金:妊婦検診費用、出産育児一時金、出産手当金
出産にはたくさんのお金がかかります。妊婦検診費用や分娩費用、出産準備品の費用、マタニティ用品の費用など、細かいものまで挙げるときりがありません。
それらのことを考えると「出産ってお金がかかって大変だな」と思うかもしれませんが、そこまで心配しなくても大丈夫です。
なぜなら、出産するにあたり国からさまざまなお金をもらうことができるからです。国は妊婦に対してとても手厚い対応をとっています。それでは、そのお金にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は「出産でもらえるお金」について解説していきます。今回の概要を把握しておけば、安心して出産を迎えることができるはずです。
もくじ
・出産でもらえるお金には3種類ある
1、妊婦健診費用
2、出産育児一時金
3、出産手当金
・国は少子化対策のために手厚い対応をしている
・まとめ
出産でもらえるお金には3種類ある
出産でもらえるお金には、「妊婦健診費用」、「出産育児一時金」、「出産手当金」の3種類があります。
1、 妊婦健診費用
妊娠しているか、正常妊娠になっているか(子宮外妊娠などになっていないか)、胎児の状態はどうか、合併症や感染症などはないかなどをチェックする費用です。
以前は、妊婦健診費用は全額自己負担でした。ところが、2009年より14回分の健診費用が全額公費負担になりました。つまり、国(及び自治体)が健診費用を払ってくれるのです。
公費負担の回数が決まっているのは、厚生労働省が妊婦健診の回数の目安を14回と考えているからです。厳密にいうと自治体によって規定が違うので、自分で「公費負担になる回数」を確認する必要があります。
妊婦健診費用は1回5,000〜15,000円程度なので、合計すると10〜15万円程度の健診費用が無料になることになります。
2、 出産育児一時金
出産したときにもらえるお金です。1人出産するごとに、国から42万円の一時金が支給されます。出産(分娩)には30〜70万円くらいの費用がかかるので、出産育児一時金でそのほとんどを賄うことができます。
出産育児一時金は、病院が受け取るようにする方法が一般的です。病院が国から42万円を受け取るので、妊婦は退院時に42万円を超えた分の費用を病院に払うだけでよいのです。
3、 出産手当金
産休中(産前42日かつ産後56日)にもらえるお金のことです。通常の給料の3分の2に相当する金額を受け取ることができます。「給料の代わりとなるお金」というイメージを持っておいてください。
出産手当金が支給されるのは、健康保険に加入している人に限られます。簡単にいうと、「会社に勤めている人」です。パートやアルバイトでも、会社に勤めていて健康保険に加入していれば、支給の対象になります。
ただ、専業主婦や自営業など、国民健康保険に加入している人は支給されません。まれに会社員でも国民健康保険に加入している人がいますが、そのような人も支給の対象にはなりません。
国は少子化対策のために手厚い対応をしている
妊婦健診費用や出産育児一時金、出産手当金など、よくよく知ると意外ともらえるお金が多いことに気付きます。
国がこれほどまでに出産に対して手厚い対応をしている理由は、「少子化に歯止めをかけるため」です。
日本は少子化が進み続けています。少子化が進むと、高齢者に対して働く人の割合が少なくなります。働く人が少なくなるので、さまざまな産業の生産が落ち込み、日本の国力は弱まっていきます。
少子化を防ぐためには、出生率を上げるしかありません。国としてはできるだけ出産しやすい環境を作る必要があります。そのため、健診費用を無料にしたり、出産育児一時金を支給したりして、安心して出産できるような体制を整えているのです。
このような制度があることは、私たちにとって非常にありがたいことです。もらえるものは遠慮なくもらっておきましょう。出産を控えている夫婦は、支給金や制度についてしっかりと調べておくことをおすすめします。
出産は人生においてとても大切なイベントです。さまざまな不安があると思いますが、「出産にかかるお金」について知っておくだけでも、金銭面の不安を解消することができるはずです。
まとめ
・出産でもらえるお金には「妊婦健診費用」、「出産育児一時金」、「出産手当金」の3種類ある。
・妊婦健診費用においては、14回分の健診費用が全額公費負担になる。
・一人出産するごとに、原則として42万円の出産育児一時金をもらうことができる。
・健康保険に加入している人は、通常の給料の3分の2に相当する出産手当金を受け取ることができる。
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