給与明細を見ることにより、税金を払っている意識を持つ
サラリーマンの税金は給与から天引きされています。つまり、会社が税金を払ってくれているのです。そのため、サラリーマンは「税金を払っている」という意識が低いです。
ただ、給与明細を見ることによって、税金に対する意識を高めることができます。なぜなら、給与明細には所得税や住民税が記載されているからです。また、税金だけでなく各種保険料も記載されています。
今回は「給与明細と税金に対する意識の関係性」について解説していきます。給与明細を見るとどうしても支給額に目が行きますが、税金や保険料にも着目するようにしましょう。
もくじ
1、給与からの天引きシステムの歴史
2、給与明細を見ることにより、税金を払っている意識を持つ
3、まとめ
給与からの天引きシステムの歴史
「サラリーマンの税金が給与から天引きされる」というシステムは、1940年に始まりました。当時は戦時中で、戦争の資金を集めるためにこのシステムが導入されたのです。
戦争では莫大な資金が必要になるため、できるだけ早くお金を集める必要があります。しかし、個人の申告を待っていては、お金が集まるまで時間がかかります。そこで、会社に税金の取りまとめを一任することにより、効率的に税金を集めたのです。
戦争が終わっても、この制度は継続されました。効率的に税金を集めることができるという理由以外に、もう一つ大きな狙いがあったからです。
それは「サラリーマンから税金の意識をなくす」というものでした。少し大げさな表現を使いましたが、本質的にはこのような狙いです。
サラリーマンが税金を払っている実感をなくせば、税金の使い道に対する興味も薄くなります。そして、国の狙い通り、サラリーマンは税金を払っている感覚をなくしていきました。
ちなみに、アメリカにはこのような制度はありません。自営業であろうと、サラリーマンであろうと、自分で税金を申告しなければならないのです。
そのため、アメリカ人は税金の使い道に強い関心を持っています。また、税金だけでなく、政治に対する意識の高さが違います。よくテレビなどで放映されていますが、選挙などがお祭りのように盛り上がるのも、納得できると思います。
給与明細を見ることにより、税金を払っている意識を持つ
給与からは所得税と住民税が天引きされています。また、税金ではありませんが、健康保険や厚生年金などの社会保険料も天引きされています。
給与が増えるほど税額も増えますが、税金に対する意識はなかなか高まりません。やはり意識的に給与明細を見ることで、税金を払っていることを実感することが重要になるのです。
そうなると、税金の使い道が気になってきます。ニュースなどで、無駄な税金の使い道について知ると、納得できないと思うようになるでしょう。そのように思うということは、税金に対する意識が上がっているというこです。
以上のように、「自分がどれくらい税金を払っているのか」をしっかりと認識し、税金を払っている意識を持つことが大切です。税金の使い道を気にすることで、金融や政治にも興味を持つようになっていきます。
「給与明細を見る」というちょっとしたきっかけから、金融知識を深めることもできるのです。
まとめ
・「サラリーマンの税金が給与から天引きされる」というシステムは1940年に始まった。戦争の資金を集めるためにこの制度が導入されたが、「サラリーマンから税金の意識をなくす」という狙いもあったため、戦後もこの制度は継続された。
・給与からは所得税と住民税が天引きされている。
・給与明細を見ることで、税金に対する意識を高めることができる。税金の使い道を気にすることで、金融や政治にも興味が出てくる。
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