税金の知識を深めるために「税金の種類」を把握する
あなたは「税金」と聞くと、どのようなことを思い浮かべるでしょうか? 私たちにとって税金は出費になるので、良くないイメージを持っている人が多いかもしれません。
税金にはさまざまな種類があります。働いて収入を得れば「所得税」を払わなければなりませんし、買い物をすれば「消費税」を払わなければなりません。たくさん払っていると感じる税金もあれば、もしかすると払っていることに気付いていない税金もあるかもしれません。
税金の知識を深めるためには、「税金にはどのような種類があるか」や「その税金はどのような場合に払うのか」などについて理解しておく必要があります。
そこで今回は、「税金の種類と概要」について解説していきます。税金とは一生の付き合いになるので、しっかりと知識を身に付けておいてください。
税金の種類
税金にはたくさんの種類があります。その中で、特に私たちの生活に関係の深いものを紹介していきます。
所得税
「働いて得た収入にかかる税金」です。厳密にいうと、収入から経費を差し引いた「所得」に対して税金がかかります。そのため、「所得税」という名称になっています。日本の所得税は超累進課税制度となっているので、収入が多い人ほど所得税率が高くなり、たくさんの所得税を払わなければなりません。
住民税
「都道府県や区市町村に払う税金」です。住民に地域の費用を負担してもらうことを目的としています。住民税は「都道府県民税」と「区市町村税」に分かれています。前年の所得に応じて税額が決まり、所得が多い人ほどたくさんの住民税を払わなければなりません。
法人税(法人所得税)
「会社の所得にかかる税金」です。広い意味では所得税の一種になります。売掛金や在庫が多いと決算書上の所得が多くなるので、多額の法人税を払わなければなりません。そのため、企業はできるだけ決算書での所得を少なくしようとします。
事業税(法人事業税)
法人税(法人所得税)と同じで、「会社の所得にかかる税金」です。法人税は国税ですが、事業税は都道県民税です。また、法人税と違って「翌年度の損金」として計算できます。つまり、「事業税を経費にできる」ということになります。
法人住民税
「会社の住民税」です。住民税と同じように、法人住民税も「都道県民税」と「区市町村税」に分かれています。
※法人税(法人所得税)と事業税(法人事業税)と法人住民税の3つを合わせて、「法人税」という場合もあります
不動産取得税
「不動産を取得したときに発生する税金」です。住宅の場合は、一定の条件を満たすと土地と建物にかかる不動産取得税を軽減することができます。ただ、投資用不動産などには、そのような軽減措置はありません。ちなみに、不動産をタダで手に入れた場合でも不動産取得税はかかります。
固定資産税
「土地や建物などの固定資産を保有していることに対してかかる税金」です。区市町村が課税する区市町村税で、毎年1月1日時点で固定資産課税台帳に記載された土地や建物の所有者に通知書が行きます。標準税率は1.4%です。
贈与税
「贈与したときに発生する税金」です。贈与とは、「財産を無償であげたり、もらったりすること」です。贈与税は、「相続税の支払いを免れようとして、生前に財産の受け渡しを頻繁に行うこと」を抑制するためにも存在しています。
相続税
「遺産を相続するときに発生する税金」です。相続とは、「亡くなった人の財産を引き継ぐこと」です。親しい人を亡くしてまで税金を払いたくないかもしれませんが、法律でそのように決まっています。
消費税
「買い物をしたときに発生する税金」です。あまり実感がないかもしれませんが、日本の消費税は世界に比べるとまだまだ低いです。福祉が充実しているデンマークやスウェーデンでは、25%という高い消費税率になっています。
自動車税
「自動車を保有していることに対してかかる税金」です。「自動車の排気量」や「用途の違い(自家用か仕事用か)」などで金額が異なります。
自動車取得税
「自動車を取得したときに発生する税金」です。自動車取得税は都道府県に支払います。
重量税
「新車を購入したときと車検のときに自動車の重量に応じて発生する税金」です。重量税は国に支払います。
ガソリン税
「ガソリンに対してかかる税金」です。道路整備などに使われることを目的としています。
酒税
「酒類に対してかかる税金」です。ビールなどのアルコール飲料を製造するメーカーが払っています。税金がかかる分、酒の値段はジュースなどと比べて高くなっています。
たばこ税
「たばこに対してかかる税金」です。実は、たばこの代金の半分以上は税金です。世界では、商品の代金の8割が「たばこ税」という国もあるのです。そのような国では、たばこの値段が1,000円以上することもあります。
復興特別税
「東日本大震災からの復興を目的として、必要な財源の確保のために徴収される税金」です。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 馴染みのある税金もあれば、あまり聞き覚えのない税金もあったかもしれません。
今回紹介したように、税金にはたくさんの種類があり、その用途は税金によって異なります。それぞれの税金の概要を把握しておけば、税金に意識が向くようになります。無意識に税金を払うのではなく、税金の意味を持って払う方が金融の知識も深まります。
あなたも今一度、自分にはどのような税金が関係しているのかを見直してみてはいかがでしょうか?
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