オフショアの資産運用には「ドルコスト平均法」が使われている
オフショア(税金がかからない地域)で運用を行うと、資産を大きく増やすことができます。理由はもちろん、税金がかからないからです。キャピタルゲイン税(ファンドなどの売却益にかかる税金)などの税金を払う必要がないので、納税の心配をすることなく資産運用ができます。
ただ、オフショアで資産が増える理由はそれだけではありません。オフショアの資産運用には「ドルコスト平均法」が活用されています。この運用法を用いているからこそ、資産が爆発的に増えていくのです。
ドルコスト平均法は究極の資産形成法です。オフショアの特性とドルコスト平均法を組み合わせることで、ほぼ確実に資産を増やすことができます。
そこで今回は「ドルコスト平均法」について詳しく解説していきます。ドルコスト平均法はとても重要な資産形成法なので、概要をしっかりと理解するようにしてください。
ドルコスト平均法の概要と具体例
ドルコスト平均法とは「一定の金額で商品を購入していく運用法」のことです。ポイントは「購入金額(=投資する金額)を一定に保つ」ことです。投資金額が変わらないので、商品の価格が高くなれば購入量は減少しますが、商品の価格が安くなれば購入量は増加します。
例えば、投資信託を毎月10万円分購入するとします。投資信託の価格が2万円なら5個購入することができ、価格が1万円なら10個購入することができます。価格の変動により購入できる商品数は変わりますが、投資金額は10万円のまま変わりません。
それではなぜ一定の金額で商品を購入することにより、資産が増えていくのでしょうか?その理由について一括投資とドルコスト平均法の違いを示しながら、以下の具体例を用いて詳しく解説していきます。
【具体例 ※ 投資信託(ファンド)】
・投資金額:100万円
・購入方法:一括購入(100万円) or ドルコスト平均法(10万円×10ヶ月間の分割購入)
※ 今回は11ヶ月目にすべての投資信託を売却します
投資信託の価格
1ヶ月目……10万円(10万円で1個購入できる)
2ヶ月目……5万円(10万円で2個購入できる)
3ヶ月目……1万円(10万円で10個購入できる)
4ヶ月目……1万円
5ヶ月目……1万円
6ヶ月目……1万円
7ヶ月目……1万円
8ヶ月目……1万円
9ヶ月目……1万円
10ヶ月目……5万円
11ヶ月目……10万円 → このタイミングですべての投資信託を売却する
上記のように、今回のケースでは「10万円の投資信託の価格が下落し、しばらく1万円の時期が続き、最終的に価格がまた10万円に戻った」という流れにします。
それでは次に、投資信託の買い方の違いで資産価値がどれくらい変わるのかを見ていきます。
一括投資の場合
Aさんは100万円の資金を使い、投資信託を購入しようと考えました。
Aさんは「どのタイミングで購入するかを考えるのが面倒だ」と思い、1ヶ月目に一気に100万円分の投資信託を購入することにしました。100万円あれば、10万円の投資信託を10個買うことができます。
その後、投資信託の価格が下がりヒヤヒヤしましたが、11ヶ月目に価格が10万円に戻りました。再び価格が下がると損をするので、Aさんはこのタイミングで投資信託を売ることにしました。11ヶ月目に売却したので、「10万円×10個=100万円」になりました。
つまり、100万円を投資して、100万円を手に入れたことになります。今回のケースでは、一括購入をしても資産は増えませんでした。
ドルコスト平均法の場合
Bさんも100万円の資金を使い、投資信託を購入しようと考えました。
Bさんは、「どのタイミングで買ったらよいか分からない」と思い、ドルコスト平均法を用いて投資信託を購入することにしました。100万円の資金があるので、毎月10万円ずつ投資信託を購入することになります。
1ヶ月目の価格は10万円なので、投資信託を1個購入することができました。2ヶ月目の価格は5万円なので、2個購入することができました。そして、3ヶ月目の価格は1万円まで下がったので、10個も購入することができました。
今回のケースでドルコスト平均法を活用すると、10ヶ月目までに合計で75個も購入できたことになります。11ヶ月目に売却し、「10万円×75個=750万円」になりました。
つまり、100万円の投資で、750万円を手に入れたことになります。
このように一括投資とドルコスト平均法では、最終的な資産が大きく変わることがあります。その要因は、「ドルコスト平均法では価格が下がったときに、商品を大量に購入することができる」という点にあります。
以上のように、価格の推移が同じでも、買い方によって資産の増え方が大きく変わることが分かります。もちろん、価格が底値のときに一括投資ができれば大きな利益を得られますが、価格の底値を読むことは誰にもできません。
今回は投資信託を例に挙げましたが、ドルコスト平均法はほとんどの資産運用に使える方法です。もちろん、オフショアでの資産運用も例外ではありません。
※ ドルコスト平均法は株式やETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)のような商品には活用できません。株やETFは株数単位での投資になるからです
オフショアでドルコスト平均法を活用することにより資産が増える理由
ドルコスト平均法は完璧な資産形成法に見えますが、価格が下がり続ける金融商品に対しては効果が薄いです。そのため、最終的に価値が上昇するか、元の価値と同じくらいになる商品に対して活用することが望ましいです。
このようなことを聞くと、「金融商品の値段が下がれば、いかにオフショアといえど資産を増やすのは難しいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、そのようなことはまずありえません。なぜなら将来的なことを考えると、価値が下がり続ける金融商品は少ないからです。
経済の成長は人口の増加と相関します。世界の人口は約70億人ですが、2050年には100億人近くになると予想されています。人口が増えれば、それに応じて消費も増え、経済が活性化していきます。そのため、世界経済はこれからも成長し続けるのです。
オフショアではプロのファンドマネージャーが世界中のさまざまな金融商品に分散投資をしています。市場全体が成長している状態で、プロのファンドマネージャーが下がり続ける金融商品ばかり購入してしまうことは考えにくいです。
仮に途中で価値が下がる金融商品を購入してしまったとしても、最終的に価値が上がるか元通りになれば、資産が増えることになります。定額投資(ドルコスト平均法)なので、むしろ途中で下がってくれたほうが、たくさんの商品(投資信託や金など)を購入することができるのです。
万が一、1、2個下がり続ける商品を購入してしまっても、その他の商品価値が上がれば問題ありません。
10年、20年という長期的な視点で見れば、最終的に価値が上昇する商品を選ぶのはそれほど難しいことではありません。オフショアの資産運用に長い時間がかかるのはそのためです。
以上が、オフショアの資産運用にドルコスト平均法が使われている理由です。「世界経済への投資」と「ドルコスト平均法」の組み合わせは、税金がかからないオフショアでこそ、効果を発揮する資産形成法なのです。
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