世界中にあるオフショア:香港、シンガポール、ドバイ、マン島など
世界には、オフショアと呼ばれる「税金がかからない地域」が存在します。香港やシンガポール、ドバイやマン島などが代表的なオフショアです(国や都市、島など、オフショアの形態はその地域によって異なります)。
「税金がかからない」というのは、非常に大きなメリットになります。オフショアで運用を行い、いくら資産が増えたとしてもキャピタルゲイン税やインカムゲイン税などの税金を払う必要がありません。
※ キャピタルゲイン税:資産を売却して得た利益にかかる税金(株や債券の売却益など)
※ インカムゲイン税:資産を保有していることで得た利益にかかる税金(株の配当金や不動産収入など)
海外資産を日本に戻す場合は税金がかかります。また、金融商品を売却するときなど、オフショア内でも税金がかかる場合があります。
そのため、世界中の資産家や投資家、金融機関、企業がオフショアに投資しています。また個人でも、オフショアで資産運用を行っている人はたくさんいます。オフショアは金融業界において、とても重要な地域なのです。
今回は「世界中にあるオフショア」を紹介していきます。いずれのオフショアも、金融業界の中核となる地域です。「世界のどの地域がオフショアになっているか」をしっかりと把握しておきましょう。
世界には40ケ所以上もオフショアが存在している
世界にはオフショアが40ヶ所以上も存在しています。そして、それらのオフショアは「アジア地域」、「中近東・地中海地域」、「カリブ海・中央アメリカ地域」、「ヨーロッパ地域」、「その他の地域」の5つの地域に分けることができます。
1、アジア地域……香港、シンガポール、ラブアン島
「香港」は日本に最も近いオフショアです。旅行だけでなく、資産運用を目的に香港に行く日本人もたくさんいます。
香港の街並みを思い浮かべると分かると思いますが、経済がものすごく発展しています。香港は世界トップクラスの金融センター(金融業において中心的な役割を持つ地域)なのです。
2、中近東・地中海地域……ドバイ、バーレーン、キプロス島、マルタ島
中近東・地中海地域で有名なオフショアは「ドバイ」です。ドバイはもともと砂漠でしたが、オフショアになったことで、世界中からお金が集まるようになりました。超高層ビルや巨大ショッピングモール、高級リゾートホテル、人工島などが乱立し、経済特区として目覚ましい発展を遂げていったのです。
3、カリブ海・中央アメリカ地域……ケイマン諸島、ヴァージン諸島(イギリス領、アメリカ領)、アルバ島、アングイラ島、アンティグア、カイコス諸島、アンティル諸島(オランダ領)、タークス諸島、バハマ、バルバドス、モントセラト島、ネビス、パナマ、ベリーズ
ケイマン諸島はマネーロンダリング(犯罪などによって不当に得たお金の出どころを分からなくし、正当に得たお金と見せること)に使われたオフショアです。そのため、あまり良くないイメージがありますが、2000年以降は改善傾向にあるようです。
4、ヨーロッパ地域……マン島、スイス、モナコ、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、ジブラルタル、アンドラ、ダブリン、オルダニー島、ガンジー島、ジャージー島、マディラ島
ヨーロッパ地域で知っておくべきオフショアは「マン島」です。マン島は淡路島ほどの小さな島ですが、とても歴史が古く、非常に信頼性が高い地域です。その証として、S&Pやムーディーズなどの世界的な格付け会社(世界中の国や地域、金融機関、金融商品などの信頼性を格付けする会社)から、最高の評価である「AAA」や「Aaa」を付けられています。
このような背景があるため、世界中の企業や投資家などから莫大なお金が集まります。また、日本人でもマン島で資産運用をしている人はたくさんいます。
5、その他の地域……バミューダ諸島(大西洋)、モーリシャス(インド洋)、クック諸島(南太平洋)、西サモア(南太平洋)、バヌアツ(南太平洋)
以上のように、世界にはさまざまなオフショアがあります。なかには香港やマン島のように、私たち個人でも資産運用を行うことができるオフショアがあります。そのような地域で運用を行えば、資産を大きく増やすことができるかもしれません。
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