オフショア金融商品の手数料が安い理由
香港やドバイなど、世界には40ケ所以上のオフショアがあります。オフショアとは、「税金がかからない地域」のことです。所得税やキャピタルゲイン税(株式や債券、不動産などの売却で得た利益にかかる税金)などの税金がかからないため、資産を大きく増やすことができます。
海外資産を日本に戻す場合は税金がかかります。また、金融商品を売却するときなど、オフショア内でも税金がかかる場合があります。
オフショアには「税金がかからない」というメリットの他にも、資産が増える理由がたくさんあります。その一つに「金融商品の手数料が安い」というのがあります。日本の金融商品よりも手数料が安いため、顧客がたくさんの利益を得ることができるのです。
今回は「オフショア金融商品の手数料」について解説していきます。オフショア金融商品の概要や、どのような手数料が発生するのかを把握しておきましょう。
目次
1、日本の金融商品は手数料が高い
2、オフショアの金融商品は手数料が安い
3、まとめ
日本の金融商品は手数料が高い
日本の金融商品は「手数料が高い」のが特徴です。マンションを購入すれば不動産屋に数十万〜数百万円の利益(手数料)が入りますし、保険に加入すれば営業マンに掛け金の一年分くらいの報酬(手数料)が入るようになっています。
また、証券会社が顧客の株を積極的に売買させようとするのも、手数料を発生させるためです。そして、銀行が投資信託の商品構成を頻繁に変えようとするのも、手数料による利益を狙っているからです。
もちろん、海外の金融商品でも手数料は発生します。ただ、全体的に日本の金融商品より安いのが特徴です。特に金融商品を売り買いするときに発生する「売買手数料」には大きな違いがあります。日本の金融商品の売買手数料は世界トップクラスといわれているのです。
金融商品を売る人は、「この地域は将来的に人口が増えます。今のうちにマンションを買っておけば価値が上がりますよ」や「今はこの株が人気です。こちらに買い替えれば儲かりますよ」などといってきます。
その理論は正しいのかもしれませんが、その裏には必ず「金融商品を売りたい」という思いがあります。
このような背景があるため、金融庁金融審査会から「日本の金融商品の販売方法や手数料のあり方が顧客本位とはいえない」と指摘されたことがあるほどです。
証券会社や不動産会社はかなりの激務という話をよく聞きます。ノルマを達成できなければ、上司から激しく怒られてしまうこともあるそうです。そうなると、営業マンは「何とかして売らなければ」という考えになってしまいます。
もちろん業界や会社によって事情は違うので、必ずしもこのような状況であるとは言い切れません。ただ、そのような内部事情も考えて営業マンの話を聞くことが大切なのです。
このように、日本の金融業界は「手数料ビジネス」で成り立っているといっても過言ではありません。保険会社や銀行が手数料によって儲けているからこそ、駅前の一等地に大きなビルを建てることができ、社員は高い給料をもらっているのです。
そして、日本の金融業界にはこのような背景があるからこそ、顧客にとって損をする場合でも商品の売り買いが行われてしまうのです。
オフショアの金融商品は手数料が安い
日本の金融商品に比べて、オフショアの金融商品は「手数料が安い」のが特徴です。どちらかというと、「手数料の金額や取り方が適正」という表現のほうが正しいかもしれません。
オフショアの金融商品にはさまざまなものがありますが、その中でも「長期で積み立てを行う商品」がメインになります。この商品は毎月数万円の積立資金を、時間をかけて複利で運用していく仕組みです。数年程度ではそこまで資産は増えませんが、20年後、30年後には資産がかなり大きくなります。
例えば、毎月5万円の積み立てを25年間続けるとします。日本で貯金すると金利がほとんど付かないので、「5万円×12ヶ月×25年=1,500万円」になります。
それに対して、オフショアの資産運用では年間8〜9%の金利が付きます。税金がかかないため、それほどの運用益を残すことができるのです。そして、資産が指数関数的に増えていき、25年後には5,000万円程度の資産が形成されることになります。
※ 実際はドルで運用されるので為替の影響を受けますが、だいたいこのくらいの金額になると考えてください
ただ、オフショアの金融商品でも手数料は取られます。金融商品を長年管理してもらうため、維持手数料が発生するのです。
オフショアの金融商品の年間維持手数料は、「時価総額の1%」くらいが相場です。これは「良心的」というわけではなく、世界では「当たり前」なのです。
ただ、手数料を安く設定しておくことで、結果的にオフショアの金融機関も大きな利益を得ることができます。
前述のとおり、20年後や30年後には資産が数千万円になっていることも珍しくありません。この資産額であれば年間の手数料が1%であっても、数十万円の利益を得ることができます。つまり、顧客の資産を増やせば増やすほど、オフショアの金融機関の儲けも大きくなるのです。
以上のように、「顧客の資産を増やす」という考え方に基づいているからこそ、オフショアの金融機関は手数料を安く設定しているのです。そのようにすることで、顧客もオフショアの金融機関も将来的には大きな利益を手に入れることができるのです。
まとめ
・日本の金融商品は手数料が高い。特に販売手数料は世界トップクラスといわれている。
・オフショアの金融商品は手数料の金額や取り方が適正である。顧客の資産を増やすことで、オフショアの金融機関の利益も大きくなる
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