ヴァージン諸島:アメリカ領とイギリス領に分かれているオフショア

ヴァージン諸島:アメリカ領とイギリス領に分かれているオフショア

ヴァージン諸島:アメリカ領とイギリス領に分かれているオフショア

 

世界には40ヶ所以上のオフショア(税金がかからない地域)が存在します。その中でもカリブ海にある「ヴァージン諸島」はアメリカ領とイギリス領に分かれている珍しいオフショアです。

 

名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんが、ヴァージン諸島について詳しく知っている人は少ないと思います。

 

そこで今回は「ヴァージン諸島の概要」、「ヴァージン諸島の歴史」、「ヴァージン諸島の金融情勢」について解説していきます。世界にはヴァージン諸島のような一風変わったオフショアがあることを覚えておきましょう。

 

 

 

ヴァージン諸島の概要

ヴァージン諸島の概要は以下のとおりです。

 

【アメリカ領ヴァージン諸島】
所在地:カリブ海にある西インド諸島を構成する約50の島々
面積:1,910km2(大阪府と同じくらいの大きさ)
人口:約105,000人
首都:シャーロット・アマリー
通貨:USドル(USD)

 

【イギリス領ヴァージン諸島】
所在地:カリブ海にある西インド諸島を構成する約60の島々
面積:153km2(かすみがうら市と同じくらいの大きさ)
人口:約32,000人
首都:ロードタウン
通貨:USドル(USD)

 

前述のとおり、ヴァージン諸島は「アメリカ領ヴァージン諸島」と「イギリス領ヴァージン諸島」に分かれています

 

○○領とは、「○○に保護されている」という意味です。アメリカ領であればアメリカに保護されていて、イギリス領であればイギリスに保護されています。

 

保護されているといっても、どのようなことでもアメリカやイギリスに従うわけではありません。条約で定められた範囲内で拘束されることはありますが、基本的には独立国に近い状態であると認識してください。

 

アメリカ領ヴァージン諸島は、ヴァージン諸島の西側の島々で構成されています。最も多くの人が住んでいて首都であるシャーロット・アマリーがあるセント・トーマス島、一番大きな島であるセント・クロイ島、島のほとんどが国立公園のセント・ジョン島が主要な島となっています。その他の島はほとんどが無人島です。

 

イギリス領ヴァージン諸島は、ヴァージン諸島の東側の島々で構成されています。首都のロードタウンがあるトルトラ島やヴァージン・ゴルダ島が主要な島となっています。その他の島はほとんどが無人島です。

 

それではなぜ、ヴァージン諸島はアメリカ領とイギリス領に分かれているのでしょうか? その背景には、ヴァージン諸島の戦争の歴史が関係しています。

 

 

ヴァージン諸島の歴史

ヴァージン諸島は1493年にクリストファー・コロンブスによって発見されました。

 

その後はイギリスやオランダ、フランス、デンマークなど、さまざまな国がヴァージン諸島を植民地として統治していました。名産品としてはコーヒーや砂糖、タバコなどが有名です。しかし、それらの生産には奴隷が使われていたという黒い歴史もあります。

 

第一次世界大戦が勃発すると、アメリカは対戦国であるドイツからパナマ運河を防衛しなければならなくなりました。そこで、パナマ運河を防衛するための軍事中継地点として、ヴァージン諸島に目を付けたのです。そしてアメリカは、当時デンマークの統治下にあったヴァージン諸島の西側の約50の島々を購入し、軍事拠点を設置しました。

 

一方、ヴァージン諸島の東側にある60の島々は1672年からイギリスの統治下になりました。統治国が何度か変わったアメリカ領ヴァージン諸島と違い、イギリス領ヴァージン諸島は長きに渡りイギリスに保護されていたのです。

 

 

ヴァージン諸島の金融情勢

ヴァージン諸島は1984年にオフショアになりました。所得税や法人税、キャピタルゲイン税などの税金がほとんどかからなくなったのです。

 

オフショアと聞くと、「私たちも資産運用を依頼できるの?」と思うかもしれません。ただ、私たちがヴァージン諸島で資産運用を行うのは難しいでしょう。

 

なぜなら、一般人の資産運用を引き受けている会社がほとんどないからです。仮に資産運用を依頼できたとしても、厳しい条件をクリアしなければなりません。

 

また、ヴァージン諸島の金融機関とお客様を仲介してくれる日本の業者もありません。英語を駆使して、自分でなんとか契約するしかないのです。以上のような現状を考えると、ヴァージン諸島で資産運用を行うのは現実的ではないといえます。

 

 

まとめ

・ヴァージン諸島は「アメリカ領ヴァージン諸島」と「イギリス領ヴァージン諸島」に分かれている。

 

・ヴァージン諸島には一般人の資産運用を引き受けている会社がほとんどない。そのため、ヴァージン諸島で資産運用を行うのは現実的ではない。

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