銀行が「消費者金融事業」を始めた理由

銀行が「消費者金融事業」を始めた理由

銀行が「消費者金融事業」を始めた理由

銀行が「消費者金融事業」を始めた理由

 

以前は、借金をする際の選択肢が2つありました。「銀行」と「消費者金融」です。

 

消費者金融とは、「お金を貸すだけの金融機関」のことです。テレビのCMなどで、「たった30分の審査で、300万円まで融資できます!」のような宣伝をしています。簡単な審査ですぐにお金を借りることができますが、金利が高いのが難点です。

 

それに対して、銀行であれば低金利で借金をすることができます。ただ、審査が厳しく、どのようなことにでもお金を貸してくれるわけではありません。

 

消費者金融と銀行は、元々は別の業種です。消費者金融は貸金業法に準じて事業を行いますし、銀行は銀行法に準じて事業を行います。各々の業界には明確なすみ分けがあったのです。

 

ところが、2010年から銀行は「消費者金融事業」を行うようになりました。異業種であったにも関わらず、なぜ銀行は消費者金融業界に乗り出したのでしょうか?

 

今回は「銀行が消費者金融事業を始めた理由」について解説していきます。

 

 

 

銀行が消費者金融事業を始めた理由

銀行が消費者金融事業を始めた理由は簡単です。それは、儲かるからです。

 

2010年に貸金業法が改正になるまでは、銀行は2%程度の金利で消費者金融にお金を貸していました。消費者金融はそのお金を、最大29.2%の金利で利用者に貸していました。消費者金融はお金の貸し借りをするだけでぼろ儲けをしていたのです。

 

銀行はそこに目を付け、消費者金融事業を始めました。「消費者金融の高い金利でも、お金を借りる人は大勢いる。それならば、自分たちでその事業を行おう」と考えたのです。

 

ただ、元々の業種が違うので、簡単に消費者金融事業を行えるわけではありません。そこで銀行は、消費者金融と手を組み、消費者金融事業を始めたのです。

 

 

銀行の参入は消費者金融業者にとってもありがたい

ここまでの話を聞くと、「消費者金融は、銀行に参入されることを嫌がるのでは?」と思うかもしれません。

 

ただ、実際はそうではありません。銀行が消費者金融事業に乗り出したことは、消費者金融にとってもありがたいことなのです。

 

2010年の貸金業法改正以降、消費者金融の経営は厳しい状況が続いていました。改正前のように、20%以上の高い金利で利用者にお金を貸すことが出来なくなったからです。

 

※ 貸金業法の改正についてはこちらの記事をご参考ください

 

さらに、銀行と同様に長年の不況で利用者が減っている状況でした。そんな状況の中、銀行が事業提携を持ち掛けたのです。

 

事業提携することより、消費者金融は銀行の「信用性」や「資金力」を利用することができるようになりました。消費者金融の未来は暗かったのですが、銀行に助けられた形になります。

 

また、銀行は消費者金融の「ノウハウ」を吸収することができました。今までは低金利の貸し出ししかしていませんでしたが、高金利の貸し出しを実行できるようになったのです。

 

このように、銀行と消費者金融の利害は一致しました。そして、多くの消費者金融が銀行の傘下に入り、消費者金融事業を展開していったのです。

 

有名どころでいうと、アコムは三菱UFJファイナンシャル・グループになり、プロミスは三井住友銀行グループになりました。いずれの銀行や消費者金融も聞いたことがあると思います。

 

以上のような流れで、銀行は「消費者金融事業」を始めました。銀行という信頼できる機関が後ろに付いているなら、利用者は安心してお金を借りることができます。

 

基本的に借金はしないほうがよいですが、どうしてもお金が必要になったときには、銀行の傘下に入っている消費者金融からの借金を検討してみても良いと思います。

 

 

まとめ

・2010年から、銀行は「消費者金融事業」を行うようになった。その理由は「儲かるから」である。

 

・2010年の貸金業法改正以降、消費者金融は厳しい経営状況が続いていた。そのため、銀行の傘下に入ることは、消費者金融にとってもありがたいことだった。

 

・銀行と消費者金融が事業提携したことにより、消費者金融は銀行の「信用力」と「資金力」を得ることができ、銀行は消費者金融の「ノウハウ」を吸収することができた。


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