国は銀行を通して国民からお金を集めている
日本では、ほぼすべての国民が銀行を利用しています。理由はさまざまありますが、「お金が守られている」、「利子がつく」、「振り込みで、簡単にお金の移動ができる」などが主な理由です。
1,000万円の預金まではペイオフ制度で守られています(1,000万円以上のお金もある程度は返ってきます)。タンス預金と違い、泥棒にあう心配もありません。
銀行にお金を預けておけば、利子がつき、勝手に預金額が増えていきます。バブルが弾けてからは低金利が続いていますが、それまでは定期預金で年間8%の利子が付いた時代もありました。そのため、銀行に預金しておくだけで、資産を大きく増やすことができました。
現代の生活では、「振り込み」というシステムは欠かせません。いちいちお金をおろす必要がありませんし、振込履歴が残るのでトラブルになることもありません。
このように、銀行はメリットばかりの素晴らしい金融機関といえます。
私たちにとって、ありがたい存在である銀行ですが、国にとってもなくてはならない存在なのです。銀行は民間企業ですが、国と密接に関わっています。
今回は、「国と銀行の関係」について解説していきます。
銀行の始まり
もともと日本では江戸時代に、「両替商」と言う銀行に近い商売がありました。しかし、これは商人が行っていたものなので、個人の商売ということになります。
日本で正式に銀行業務が始まったのは、1873年です。最初は、国立銀行として始まり、100以上の銀行が設立されました。
日本で初めに設立された銀行は、「第一国立銀行」です。名前に「国立」とついていますが、国が設立したわけではありません。「国の法律に基づいて設立された」ことから、そのような名前になっています。
第一国立銀行は、長い年月をかけて合併し、「みずほ銀行」になりました。みずほ銀行の金融機関コードが「0001」なのは、日本で初めて設立された銀行だからです。
その後、1882年に日本銀行が設立されたため、すべての国立銀行は名実ともに民間の銀行になりました。
国は銀行を通して国民からお金を集めている
国と銀行は、銀行が設立された頃から非常に強い繋がりがあります。なぜ、国は銀行と強い繋がりを持っているのでしょうか?
答えは、「銀行を通して国民からお金を集めるため」です。
通常、国は税金という形で国民からお金を集めます。しかし、どんな国民でも、税金が上がるのを嫌がります。国が税金を上げると、国民は税金を上げた政党を支持しなくなります。
国や政党はそうなっては困るので、こっそりお金を集める方法を考えました。
それが、「銀行を通してお金を集める」という方法です。
銀行は、あなたが預けたお金を国に貸しています。あまり実感がないかもしれませんが、あなたは間接的に国にお金を貸しているのです。
国は、国民に預金が美徳であると思い込ませています。そうすることにより、放っておいても国民はお金を預けるようになります。
国はこれからもお金を集め続けます。長年の不況により、日本は借金まみれです。お金がなければ、そんな状態の国家を運営することは不可能です。
このまま預金をしているだけでは、国の思う壺です。借金大国の日本で預金をしても、お金が増えていくことは考えにくいです。最悪、国家破産となり、預金がすべて国に没収される可能性まであるのです。
このようなことを知ると、銀行に対する見方も変わってくるのではないでしょうか。銀行には、「国民のお金を集める役割」という裏の顔があるのです。
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