日本銀行の3つの役割:銀行の銀行、政府の金庫、紙幣の発行

日本銀行の4つの役割:銀行の銀行、政府の銀行、紙幣の発行、金利の調整

日本銀行の4つの役割:銀行の銀行、政府の銀行、紙幣の発行、金利の調整

日本銀行の4つの役割:銀行の銀行、政府の銀行、紙幣の発行、金利の調整

普段の生活において、私たちが日本銀行と直接関わることはありません。そのため、日本銀行がどのような銀行かよく分かっていない人も多いです。

 

日本銀行は日本経済を動かす上で、非常に重要な役割を担っています。日本銀行が行う金融政策によって、企業や個人、政府までもが大きな影響を受けるのです。

 

※ 日本銀行は認可法人(主務大臣の認可によってできる法人。認可法人は政府と密接な関係にありながらも、国とは独立した機関となっている)であるため、日本銀行が行う施策は「政策」といいます

 

今回は「日本銀行の4つの役割」について解説していきます。これらの役割を理解すれば、日本銀行が日本になくてはならない存在であることが分かると思います。

 

もくじ
 1、役割1:銀行の銀行
 2、役割2:政府の銀行
 3、役割3:紙幣の発行
 4、役割4:金利の調整
 ・公定歩合
 ・政策金利
 5、まとめ

 

 

役割1:銀行の銀行

私たちは手元にあるお金を銀行に預けます。また、企業であれば銀行から融資を受けます。銀行は日本経済になくてはならない存在なのです。

 

その銀行にとっても「お金を預けたり借りたりする銀行」があります「銀行にとっての銀行」、それが日本銀行です。

 

日本銀行の金利は民間の銀行よりも安いです。民間の銀行は日本銀行から低金利でお金を借り、金利を上乗せして個人や企業に貸しているのです。そのような仕組みで利益を得ています。

 

逆に民間の銀行が日本銀行にお金を預けた場合は、原則として利子がつきません。普通預金口座ではなく、当座預金口座(お金を置いておく口座)だからです。

 

それならばなぜ、民間の銀行は日本銀行にお金を預けるのでしょうか?

 

その理由は「他の銀行と簡単に取引ができるから」です。

 

例えば、A銀行がB銀行にお金を振り込むとします。お互いが日本銀行の口座を持っているため、日本銀行のシステム(「全国銀行データ通信システム」といいます)にアクセスするだけで、簡単に取引が完了します。システム上でA銀行の口座残高を減らし、B銀行の口座残高を増やすだけ済むのです。

 

銀行同士でお金のやり取りをする機会は多いので、このようなシステムはとても便利です。全ての銀行が日本銀行に口座を持っているからこそ、このようなことが可能になります。

 

 

役割2:政府の銀行

政府は「税金」や「年金」として集めたお金を日本銀行に預けています。また、公共事業を行うときは、預けていたお金を日本銀行から引き出します。

 

このように日本銀行は「政府の銀行」という役割を持っているのです。

 

 

役割3:紙幣の発行

日本銀行は「紙幣の発行」を行っています。

 

日本の紙幣には、1,000円札、2,000円札、5,000円札、10,000円札の4種類があります。そして、紙幣の正式名称は「日本銀行券」といいます。日本銀行が発行しているため、そのような名称が付いているのです。

 

日本銀行

 

日本銀行

引用元:日本銀行

 

ちなみに、硬貨は財務省が発行しています。日本の硬貨には、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類があります。

 

財務省

 

引用元:財務省

 

日本銀行は政府の指示を受け、お金の流通量を調節しています。上述のとおり、日本銀行は認可法人なので、基本的には政府の指示に従うことになるのです。

 

 

役割4:金利の調整

日本銀行の重要な役割として「金利の調整」があります。

 

景気が悪いときは金利を引き下げ、世の中にお金が巡るようにします。反対に景気が過熱しているときは、金利を引き上げ、金融引き締めを行うこともあります。

 

そして、金利の調整には「公定歩合」と「政策金利」の二通りのやり方があります。

 

公定歩合

公定歩合とは「日本銀行が民間の銀行(金融機関)が保有している国債を担保にお金を貸し出すときの金利」のことです。

 

日本銀行が公定歩合を引き下げると、民間の銀行はお金を借りやすくなります。そのため、資金が潤沢になり、企業や個人にお金を貸しやすくなるのです。このようにして、世の中にお金が回っていきます。

 

ただ、現代では日本銀行は公定歩合では金利を調整していません。需要と供給のバランスを取ることで、金利をコントロールしているのです。

 

政策金利

現代では、日本銀行は「政策金利」によって金利を調整しています。

 

政策金利とは「日本銀行が民間の銀行(金融機関)の国債を買い上げることで決まる金利」のことです。具体的には下記のような流れになります。

 

1、日本銀行が民間の銀行(金融機関)の国債を買い上げる
2、民間の銀行は国債を売却したことにより、手元のお金が増える
3、銀行同士でお金のやり取りが活発になる
4、多くの銀行が大量のお金を持つので、低金利で企業や個人にお金を貸し出すことができる
5、お金の動きが活発になり、景気が良くなる

 

現代ではこのようにして金利が決まります。公定歩合によって金利を決めるのではなく、政策金利によって金利を調整しているのです。

 

 

まとめ

・日本銀行には「銀行の銀行」、「政府の銀行」、「紙幣の発行」、「金利の調整」という4つの役割がある。

 

・公定歩合とは「日本銀行が民間の銀行(金融機関)が保有している国債を担保にお金を貸し出すときの金利」のことである。

 

・政策金利とは「日本銀行が民間の銀行(金融機関)の国債を買い上げることで決まる金利」のことである。


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