日本の銀行はリーマン・ショックによって甚大な損害を受けた
世界の銀行に比べると、日本の銀行はとても信用度が高いです。発展途上国の銀行では「突然、お金が引き出せなくなった」ということもありますが、日本の銀行でそのようなことが起こることはありません。
そのため、日本人で銀行にお金を預けることを不安に思う人はいないはずです。裏を返すと、それだけ日本の銀行は安定した経営をしているということです。よほどのことがない限り、日本の銀行が潰れることはありません。
ただ、常に安定した経営ができているわけでもありません。日本の銀行も経営危機に陥ったことがあります。例えば、2008年に起きた「リーマン・ショック」が日本の銀行に及ぼした損害は甚大です。
リーマン・ショックとは、アメリカの大手投資銀行である「リーマン・ブラザーズ」が経営破綻をしたことがきっかけで起こった世界的な金融危機です。その影響はアメリカだけでなく、世界中に及びました。
もちろん、日本への被害も大きく、数多くの企業が倒産に追い込まれる事態となりました。そして、日本経済の中心である銀行もリーマン・ショックの対応に追われることになったのです。
今回は「日本の銀行とリーマン・ショックの関係」について解説していきます。リーマン・ショックによって、日本の銀行はとても大変な目に遭ってしまったのです。
リーマン・ショックは「恐慌」である
リーマン・ショックとは、アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが経営破綻したことから始まった世界的な金融不安です。
アメリカの中核を担う大銀行が潰れてしまったため、アメリカだけでなく、世界中がかつてない大不況に陥ってしまいました。
リーマン・ショックは「不況」というより、「恐慌」に近いといわれています。恐慌とは、不況とは比べ物にならないほどの不景気のことです。リーマン・ショックの金融不安は、世界中に異常な速さで広がっていきました。
リーマン・ショックの影響で日本の銀行は融資をしなくなった
リーマン・ショックの影響はアメリカだけに留まりませんでした。日本を始め、世界中の経済にとてつもない悪影響を及ぼしたのです。
そして、日本の銀行もリーマン・ショックによって大きな損害を受けてしまいました。
銀行は不景気のときに金利を下げ、企業や個人に融資しようとします。そうすることで、世の中にお金の流れを生み出そうとするのです。「世の中のお金を回す」ことは、銀行の大切な役割といえます。
しかし、リーマン・ショックほどの金融危機が起こると、銀行は融資をしなくなります。景気が悪すぎるため、お金が返済されなくなる可能性が高くなるからです。
リーマン・ショックが起こってから、銀行はお金の貸し出しを渋り、自己資本を増やすようになりました。
自己資本:銀行がもともと持っているお金
自己資産を増やすことで、さらなる金融不安に対応できるようにしたのです。
日本全体がこのような状況に陥っていたため、企業は銀行からお金を借りることができなくなってしまいました。そして、徐々に経営が苦しくなり、倒産する企業が続出したのです。
このように、金融界の中心である銀行が機能しなくなると、経済にさまざまな悪影響が及んでしまうのです。
アメリカの銀行に比べて日本の銀行の損害は比べて少なかった
上述のとおり、リーマン・ショックにより、日本の銀行は大きな損害を受けました。しかし、アメリカの銀行に比べれば、その損害はまだ少なかったのです。
世界に比べると、日本は「金融の自由化」が進んでいません。そのため、私たちが実践できる資産運用も制限されてしまうことがあります。世界中の人が実践している資産運用が、日本人ではできない場合があるのです。
銀行に関しても、同じことがいえます。世界の銀行に比べて、日本の銀行は「確実性の高い融資」をする傾向にあります。日本人の気質と同様に、保守的な経営をしていたのです。
リーマン・ショックのときは、金融の自由化が進んでいなかったことが功を奏しました。リーマン・ブラザーズのように、「一つの投資案件に莫大な資金を投入し、派手に経営破綻した」というような日本の銀行はなかったのです。
しかし、「リーマン・ショックの影響が少なかった」というのは、アメリカに比べての話です。日本の銀行が機能しなくなり、日本の経済が動かなくなったことに変わりはありません。
まとめ
以上のように、リーマン・ショックほどの大恐慌が起こると、世界中の経済に大きな被害がもたらされます。そして、これからの将来に同じような金融不安が起らないとも限りません。
私たちができることは、今のうちに万が一に備えておくことです。そのために、預貯金以外の資産を保有したり、さまざまな資産運用を実践することが重要になるのです。
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