【銀行が担う3つの役割】営利企業、企業や個人の橋渡し、企業の育成
銀行というと、「お金の貸し借りをしている機関」という認識を持っている人がほとんどだと思います。その認識は間違いではありませんが、少し足りない部分があります。
せっかく利用しているなら、銀行の役割をより深く理解しておくべきです。なぜなら、銀行に対する見方が変わってきますし、経済に対する考えも深まるからです。
そこで今回は「世の中における銀行の役割」について詳しく解説していきます。銀行はお金の貸し借りをしているだけでなく、世の中にとって非常に重要な役割を担っているのです。
もくじ
・役割1 営利企業
・役割2 企業と個人の橋渡し
・役割3 企業の育成
・まとめ
役割1:営利企業
銀行には金庫があるため、「たくさんのお金が保管されている」というイメージを持っていると思います。ただ、そのお金は銀行が保有している資金の一部でしかありません。大部分のお金は企業や個人に貸し出されているのです。
そのお金が返済される時に発生する利子が、銀行の収益となります。また、銀行は投資信託などの金融商品も顧客に販売しています。その売買益も収入の柱になっているのです。
このように、銀行は「単なるお金の預り所」ではなく、「資金を運用する営利企業」なのです。
そして、企業として収益を上げているということは、相応の税金を納めていることになります。他業種の営利企業と同様に、銀行も国にとって収入源となっているのです。
役割2 企業と個人の橋渡し
銀行がなければ世の中にお金の流れは生まれません。
例えば、ある会社の社長のAさんが、事業拡大のためにお金を必要としているとします。また、ある企業を定年退職をしたBさんが、退職金を受け取ったとします。このとき、知人でもなければ、AさんがBさんからお金を借りることはありません。
ところが、銀行を介することにより、AさんはBさんのお金を借りることができます。「Bさんが銀行にお金を預ける→銀行がそのお金をAさんに貸す」という流れです。
このように、銀行は企業や個人からお金を預かり、他の企業や個人にお金を貸しています。銀行は企業および個人の橋渡しをしているのです。
役割3 企業の育成
役割2でお伝えしたように、銀行は様々な企業にお金を貸しています。銀行からの融資を受けなければ、企業は事業を拡大できません。自社の資本だけで成長していく企業はとても稀なのです。
今や衣料品業界において日本No.1の売り上げを誇るユニクロも、銀行からの融資を受けて成長した企業です。元々は山口県宇部市にある小さな衣料品会社でしたが、全国展開を行うために銀行から融資を受け、事業を拡大していきました。今では日本はもちろんのこと、世界でも有数の大企業へと成長したのです。
このように、ほとんどの企業が銀行から融資を受けています。裏を返すと、銀行がなければ企業は育たないことになります。つまり、銀行には「企業の育成」という役割があることになるのです。
まとめ
以上のように、銀行にはさまざまな役割があります。いずれも世の中にとって必要不可欠な役割です。
利用者としての目線だけでなく、さまざまな角度から見ることで、銀行の重要性を認識することができるようになります。
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