個人年金保険の加入率は20〜25%程度である
将来、年金(公的年金)をどれくらいもらえるのかは誰にもわかりません。ただ、日本の少子高齢化が進んでいくことを考えると、年金の受給額が減っていくことは明白です。
将来に不安を感じ、個人年金保険に加入する人がいます。個人年金保険とは、「個人で年金を積み立てる保険」です。若いときに自分でお金を積み立て、老後にお金を受け取ることができます。
若い頃から将来の対策を考えておくのは大切なことです。個人年金保険に加入することが必ずしも正解というわけではありませんが、将来の資産形成法の一つであることは間違いありません。
それでは、日本では個人年金保険に加入している人はどれくらいいるのでしょうか。さらに、加入している人はどのような保険内容にしているのでしょうか。
今回は、「個人年金保険の加入率」や「個人年金保険の保険内容」について紹介していきます。
個人年金保険の加入率は20〜25%程度である
個人年金保険の加入率は、(全世帯に対して、どれくらいの世帯が加入しているかを割合で示したもの)20%〜25%程度です。つまり、4〜5世帯に、1世帯の割合で加入しているということです。
加入率は年によって変動しますが、ここ十年以上は横ばいの状況です。年金制度に対する不安は年々大きくなっていますが、なぜ加入率が横ばいなのでしょうか。
実際は、個人年金保険に加入する「世帯数」は年々増えています。ただ、1人暮らしの増加など、日本全体の世帯数も増えているので、割合としてはあまり変わりません。
それに、将来の対策は必ずしも個人年金保険だけではないので、さまざまな資産運用を行っている人が増えていることも考えられます。
ちなみに、世帯あたりの年間払込保険料の平均額は、20万円前後です。月々にすると、2万円くらいになります。
世代別の加入率は50代が最も多い
世代別の加入率としては、50代が最も多いです。50代の世帯の30%程度が個人年金保険に加入しています。老後が近づくにつれて、加入する世帯が増えている状況です。
どの生命保険や積立保険もそうなのですが、早くから加入したほうが保険料を払う期間が長くなるので、月々の支払いが安くなります。
そのため、加入するなら若いほうが良いのですが、20代、30代の世帯では加入率が低いのが現状です。20代の世帯では5%程度、30代の世帯では15%程度の加入率となっています。
若い頃に個人年金保険に加入しない理由としては、保険や年金に対する意識が低いことが挙げられます。
「保険に入ったほうがいいのかな。」、「保険に入らないといけないんだけどね。」とは言うものの、なかなか決断をしない人がいます。家庭を持つなど、何かきっかけがないと加入を考えない人は多いです。
それと、20代、30代では、収入が低いのも加入率が低い要因です。
個人年金保険の受取開始年齢は60歳が最も多い
個人年金保険の受取開始年齢は、60歳に設定している人が最も多いです。次いで、65歳が多くなっています。
いつか受け取るなら、早く受け取っても問題はありません。60歳か65歳が妥当な年齢と考えられます。
注意しておくべきこととしては、59歳以下でお金を受け取るように設定すると、個人年金保険料控除が適用となりません。そのため、個人年金保険に加入する場合は、60歳以降に受け取るように設定する必要があります。
以上が個人年金保険の加入率や受取開始年齢などの現状です。これらの現状を、あなたが加入するときに参考にしても良いでしょう。
将来がどうなるかは誰にも分からないので、正解はありませんが、ライフスタイルや将来ビジョンを考え、自分に最も合った選択をするべきです。
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