積み立て型の保険の「金利」は変わらない

積み立て型の保険の「金利」は変わらない

積み立て型の保険の「金利」は変わらない

保険の掛け方には、大きく分けて積み立て型と掛け捨て型の2つのパターンがあります。

 

積み立て型には、満期(契約終了時期)があり、基本的には満期になると積立金額以上の金額を受け取ることができます。その理由は、保険会社が運用を行い、資産を増やしているからです。資産を増やした分、保険会社も儲かっています。

 

「満期になったときにどれくらいの金額を受け取れるか」は契約時に決まっています。その金額は契約書に明記されていますし、受け取れる金額が大きいというのがその保険のアピールポイントになります。

 

積立金額に対して、受取金額がどれくらいになるかを利率で表したものを、「返戻率(へんれいりつ)」といいます。返戻率は、保険内容によって違うのですが、110%程度であることが多いです。

 

どれくらいの金額を受け取れるかを、分かりやすく示すために返戻率を用いていますが、基本的には「金利」が重要になります。つまり、「何%の割合で増えていくか」ということです。例えば、金利(年利)が1%であれば、100万円が次の年には101万円になります。

 

保険をはじめとする資産運用で、金利について理解することはとても重要です。

 

そこで今回は、「保険と金利の関係性」について解説していきます。ちなみに、掛け捨て型の保険には満期がないので、今回の話は関係ありません。

 

積み立て型の保険の金利は変わらない
積み立て型の保険の金利は契約時に決まります。そして、その金利が変わることはありません。満期になるまで、最初に定められた金利のままです。

 

ちなみに、現在の保険の金利は1%よりも少ないです。これ以上下がることがないくらいの金利になっています。「銀行に預けておくよりはマシ」という程度です。

 

これほどまでに金利が下がっているのは、保険会社が高い金利を設定できないからです。日本は長い間不況で、将来的にも経済が活性化する見込みが少ないのです。

 

実際の保険内容を見てみても、返戻率がだいたい110%程度なので、金利は1%よりも少ないということが分かります。

 

例えば、毎月3万円を積み立てる保険に加入するとします。30年間で積み立てる金額は、「3万円×12ヶ月×30年=1,080万円」です。毎年、1%の金利が付くと、30年後には1,259万円になります。返戻率は116%です。

 

しかし、日本が好景気のときに契約した保険には、高い金利のものがあります。そのようなケースはほとんどないのですが、もしそのような保険に加入していれば、そのまま契約を継続してみてもよいでしょう。むやみに切り替える必要はありません。

 

基本的に、保険の営業マンは新規契約を取りたいので、金利が良い保険まで切り替えようとしてくるかもしれません。そのような話に流されるのではなく、しっかりと考え、判断することが大切です。

 

積み立て型の保険の金利は3%まで引き下げることができる
日本の不景気が長すぎたので、政府は「積み立て型の保険の金利を3%まで引き下げることができる制度」を設定しました。経営が厳しくなっていく保険会社を助けるためです。

 

「たった3%!?」と思うかもしれませんが、金利としてはとても大きい値です。

 

例えば、毎月3万円を積み立てる保険に加入するとします。30年間で積み立てる金額は、「3万円×12ヶ月×30年=1,080万円」です。毎年、3%の金利が付くと、30年後には1,740万円になります。返戻率は161%です。

 

1%の金利と3%の金利で、ここまで大きな違いがでます。それだけ、金利は重要なのです。

 

ちなみに、海外では3%どころか8%や10%の複利で運用する商品もあります。場合によっては、そのような資産運用を行ってもよいでしょう。

 

保険会社は金利を引き下げられない
保険会社は、好景気のときの保険の金利を引き下げたいという考えがあります。現在の保険は1%程度の金利なのに、それ以上の高い金利になると損失が大きくなってしまうからです。

 

しかし、保険会社は金利の引き下げを言い出すことができません。

 

なぜなら、金利を引き下げたら、経営が苦しいと言っているようなものだからです。そうなれば、会社の信頼は大きく下がってしまいます。

 

加入者は、「あの保険会社は経営が危ないかもしれない」と考え、他社の保険に切り替える可能性が出てきます。

 

人は、得をすることにはあまりピンときませんが、損をすることには敏感です。現代のネット社会では、悪い噂はあっという間に広がります。そうなっては、保険会社のダメージは甚大です。

 

結局、保険会社は泣く泣く高い金利を維持するしかありません。

 

これは、加入者にとってとてもありがたい状況です。契約を継続し、遠慮なく資産を増やしていきましょう。

 

以上のように、積み立て型の保険には、まれに高い金利のものがあります。そのような保険に加入している人は、資産を大きく増やせる可能性があります。あなたも今一度、自分の保険内容を見直してみてはいかがでしょうか?

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