「障害年金」を受け取るための条件:障害等級、納付期間

「障害年金」を受け取るための条件:障害等級、納付期間

「障害年金」を受け取るための条件:障害等級、納付期間

 

病気や事故などで障害を持ってしまったときに、私たちを助けてくれるのが「障害年金」です。障害年金を活用すれば、障害を負ったあとも安定した生活を送ることができます。

 

ただ、どのような人にも障害年金が支給されるわけではありません。障害年金を受け取るためには、以下の2つの条件を満たさなければなりません。
・「障害等級」に該当すること
・年金保険料の納付期間が、加入期間の2/3以上であること

 

今回はこれらの条件について詳しく解説していきます。障害年金という制度を最大限に活用するためにも、概要をしっかりと把握しておくようにしましょう。

 

 

 

障害年金の基礎知識

はじめに、障害年金の仕組みについて説明していきます。

 

原則として、20歳以上のすべての国民は公的年金に加入しています。そして、どの公的年金に加入するかは、その人の職業によって異なります。大まかな分類になりますが、基本的には以下のとおりです。

 

【公的年金】
自営業、主婦、学生など……国民年金(基礎年金)
サラリーマンなど……国民年金(基礎年金)+ 厚生年金
公務員など……国民年金(基礎年金)+ 共済年金

 

障害年金も公的年金と同じです。加入している公的年金によって、適用される障害年金が決まります。

 

【障害年金】
自営業、主婦、学生など……障害基礎年金
サラリーマンなど……障害基礎年金 + 障害厚生年金
公務員など……障害基礎年金 + 障害共済年金

 

このように、サラリーマンや公務員は障害基礎年金に加えて、障害厚生年金や障害共済年金も受け取ることができます。サラリーマンや公務員は、老後にもらえる年金だけでなく、障害を負ったときの補償も充実しているのです。

 

 

条件1、「障害等級」に該当すること

次に、障害年金を受け取るための条件である「障害等級」について解説していきます。

 

障害等級とは、「障害の度合い」のことです。1〜3級まであり、1級が最も重い障害となっています。具体的な障害の度合いは以下のとおりです。

 

・1級
他人のサポートを受けなければ、ほとんど活動できない状態です。「両目の矯正視力が0.04以下(メガネやコンタクトレンズを使用しても、目がほとんど見えない状態)」や「両腕、両脚の欠損」、「寝たきり状態」などが、1級に該当します

 

・2級
自分の力では家庭内でしか生活できない状態です。「両目の矯正視力が0.05〜0.08」や「言語機能障害」、「複数の指の欠損」などが、2級に該当します。

 

・3級
仕事をするのが困難な状態です。「両目の矯正視力が0.1以下」や「耳元で話さないと聞こえない状態」などが、3級に該当します。

 

障害等級が1級および2級の場合は、障害基礎年金が支払われます。また、厚生年金または共済年金に加入している人は、合わせて障害厚生年金または障害共済年金も支払われます。

 

障害等級が3級の場合は、障害厚生年金または障害共済年金しか支払われません。そのため、自営業や主婦のように、国民年金にしか加入していない人は障害年金を受け取ることができません。

 

また、障害等級や障害年金の種類によって異なりますが、配偶者や子どもがいると支給金額が大きくなることが多いです。

 

 
ここで注意しなければならないのは、障害年金の障害等級は「障害者手帳の障害等級とは違う」ということです。

 

障害年金の障害等級は、「国民年金法施行令」および「厚生年金保険法施行令」によって定められています。それに対して、障害者手帳の障害等級は「身体障害者福祉法」によって定められています。

 

これらの違いを把握するのは困難なので、障害年金の障害等級に関しては、年金事務所や年金相談センターに問い合わせるようにしてください。

 

また、障害等級に該当するためには、「医師の診断書」が必要になります。障害年金請求用の診断書を用意してもらうようにしましょう。

 

 

条件2、年金保険料の納付期間が、加入期間の2/3以上であること

最後に、もう一つの条件である「年金保険料の納付期間」について解説していきます。

 

障害年金の支給条件として、「年金保険料の納付期間が、加入期間の2/3以上であること」というのがあります。

 

例えば50歳の人であれば、公的年金の加入期間は30年間です(20歳から加入しているため)。この場合、年金保険料を20年以上納めていないと、障害年金を受け取ることができません。

 

なお、加入期間の2/3以上という条件を満たしていれば、納付期間は短くても構いません

 

例えば23歳の人であれば、公的年金の加入期間は3年間しかありません。それでも、年金保険料を2年以上納めていれば、障害年金を受け取ることができるのです。

 

このように、「加入期間の2/3」という基準を覚えておいてください。ただ、この期間をぎりぎり超えている状態は避けるようにしてください。何かの手違いで基準に満たなくなると、障害年金が支給されないからです。常日頃からきちんと年金保険料を納めていれば、このような間違いが起こることはありません。

 

以上のように、障害年金を受け取るためには「障害等級」と「納付期間」の条件を満たす必要があります。

 

障害年金の支給額は、独身であれば最大で年間200万円程度、配偶者や子どもがいる人であれば最大で年間400万円程度です。

 

ただ、実際の金額は「加入している公的年金」、「障害等級」、「配偶者や子どもの有無」などによって大きく異なります。そのため、実際の金額はその状況になってみないと分からないことが多いです。

 

障害を負うことを考えたくはないと思いますが、万が一そのようになったら、必ず障害年金を活用するようにしてください。

 

まとめ

・障害年金を受け取るためには、「障害等級に該当すること」、「年金保険料の納付期間が、加入期間の2/3以上であること」という2つの条件を満たさなければならない。

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