「インフレ」になると借金を返済しやすくなる
あなたは今までに借金をしたことがあるでしょうか? 借金をすると、「残りの借金額はいくらか」ということを考えるようになります。
もちろん、このように思うのは大切なことです。返済をしっかりと意識しているからこそ、借金額が気になるのです。
ただ、借金の「額」だけを考えていては、借金に対して十分に向き合っているとはいえません。借金額とともに、借金の「価値」を意識しなければならないのです。
あまり意識したことがないかもしれませんが、借金の「価値」は一定ではありません。「物価」や「お金の流通量」は常に変動しているため、その影響で借金の価値も変動しているのです。
物価やお金の流通量が変動することにより「インフレ(インフレーション)」が起こります。つまり、インフレと借金の価値には密接な関係があるのです。
今回は「インフレと借金の関係」について解説していきます。この記事を読めば、借金をしている人にとってはインフレがありがたい経済現象であることが分かると思います。
もくじ
1、インフレの基礎知識
2、インフレと借金の関係
3、日本はインフレになっていく
4、日本のインフレ傾向を逆手に取った資産形成法
5、まとめ
インフレの基礎知識
インフレとは「物の価値(物価)が上がり、お金の価値が下がること」をいいます。具体的には、以下のような現象がインフレに該当します。
・1杯300円のコーヒーが500円に値上がりした
・1枚1,000円のCDが1,500円に値上がりした
インフレになると商品の値段が上がるため、企業の利益が増えます。企業の利益が増えれば、社員の給料も上がります。給料が増えることでさらに消費が増え、経済が活性化していくのです。
このように、基本的には経済が成長するときにインフレが起こります。ただ、過度のインフレは、逆に経済に悪影響を及ぼしてしまうのです。
インフレが進み過ぎると、商品の値段が上がり過ぎてしまいます。そうなると、誰もその商品を買わなくなってしまいます。インフレが行き過ぎると、経済が動かなくなってしまうのです。
また、国の経済がものすごく悪化すると、インフレが止まらなくなることがあります。このインフレを「ハイパーインフレ」といいます。ハイパーインフレが起こると、お金が紙切れ同然になってしまい、国が破綻してしまいます。
実際にロシアやジンバブエでは、とてつもないインフレが起こったことがあります。もの凄いスピードでインフレが進み、パンを買うために札束を用意しなければならないほど物価が上昇してしまったのです。
経済に良い影響を与えるのは、「ほどほどのインフレ」ということです。
インフレと借金の関係
続いては、「インフレが借金に与える影響」について説明していきます。
例えば、あなたが400万円の借金をしているとします。そして、毎月の給料は50万円です。この場合、借金は「給料の8ヶ月分」ということになります。
ここで、インフレが進んで毎月の給料が80万円になったとします。そうなれば、借金は「給料の5ヶ月分」になります。
そして、さらにインフレが進んで毎月の給料が200万円になったとします。この状況では、借金は「給料の2ヶ月分」になります。つまり、2ヶ月あれば借金を完済することができるのです。
このように、インフレが進行すると借金の「価値」が減っていきます。借金の「額」は変わりませんが、価値が減っている分、返済しやすくなるのです。借金を抱えている人にとっては、インフレはありがたい状況ということになります。
日本はインフレになっていく
ここまでの話で、借金をしている人にとっては「インフレが理想の経済状態である」ということが理解できたと思います。
それでは、将来的に日本はインフレになっていくのでしょうか? それともデフレ(デフレーション:インフレの反対の経済現象)になっていくのでしょうか?
実は、日本はかなり高い確率で「インフレ」が進んでいきます。
「インフレになると借金の価値が減る」という仕組みは個人も企業も同じです。そして、国にとっても同じなのです。日本は莫大な借金を抱えているので、国家財政の安定を保つために、長期的にインフレにしていかなければなりません。
実際に政府はさまざまな方法を用いて、日本をインフレにしようとしています。そのなかでも最も単純で効果的なのが「お金の流通量を増やす」という方法です。
お金の流通量が増えても、日本に存在する「物の数」が変わるわけではありません。自然と物価が上昇し、お金の価値が下がっていきます。つまり、インフレが進行していくことになります。
日本という国家を運営するためには、なんとかしてインフレにしていかなければならないのです。
このような流れがあるため、今後は借金をしている人にとって良い時代になる可能性が高いです。ただ、いくら借金の価値が減るとはいえ、どれくらい減るかまでは誰にも分かりません。インフレに期待するのではなく、まずは借金を返済することを考えるべきです。
日本のインフレ傾向を逆手に取った資産形成法
将来的に日本がインフレになっていくのであれば、その流れを逆手に取った資産形成法を考えるべきです。
それは「あえて借金をする」という方法です。ただ、「なんでもよいからとりあえずお金を借りる」というものではありません。「ローンを組んで資産を保有する」ことこそが、インフレの対策となります。
具体例をあげると、「不動産」がこの方法に当てはまります。
例えば、不動産を購入し、毎月10万円のローンを組んだとします。その後、インフレが進み、物価も給料も2倍になったとします。
物価も給料も2倍になったのであれば、普段の生活に特に変化はありません。ただ、ローン(借金)の「価値」が半分に減ったことになります。いくらインフレが進んでも、ローンの返済額は変わらないからです。
実際に私もローンを組んで不動産を保有しています。インフレになるのを見越した資産形成法を実践しているのです。
一時期は6千万円くらいの不動産を保有していましたが、確実に利益を出すことができたので、3千万円くらいの不動産は売却してしまいました。それでも、残りの不動産をインフレ対策として保有しています。
以上のように、日本がインフレになっていく可能性はかなり高いです。そして、その流れを逆手にとった資産形成法を実践していくことで、自分の資産を守ることができます。あなたも将来のための資産形成法を考えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
・インフレとは「物の価値(物価)が上がり、お金の価値が下がること」である。
・インフレが進むと借金の「価値」が減っていく。
・日本はこれからもインフレが進んでいくと予想されている。
・「ローンを組んで資産を保有する」ことはインフレの対策になる。
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