「インフレ・デフレ」が借金に与える影響

「インフレ・デフレ」が借金に与える影響

「インフレ・デフレ」が借金に与える影響

 

ひとくちに「借金」といっても、さまざまな種類があります。友達から数千円を借りるのも借金ですし、数千万円の住宅ローンも借金になります。このようにしてみると、借金は意外と私たちの身近にあることが分かります。

 

借金をしていると、どうしても「借金額」が気になってしまいます。ただ、借金額だけでなく、「借金の価値」に向き合うことも大切です。借金の価値はインフレ・デフレの影響で日々変動しています。

 

それでは、借金をしている人にとっては、インフレとデフレのどちらの方が望ましいのでしょうか?

 

今回は「インフレ・デフレが借金に与える影響」について解説していきます。借金を抱えている人にとっては特に重要な問題なので、必ず内容を理解するようにしてください。

 

 

 

インフレの概要

インフレ(インフレーション)とは「世の中の物の価値(物価)が上がり、お金の価値が下がる」ことをいいます。そしてインフレは国がお金を大量に発行したときなど、お金の流通量が急激に増えたときに起こります。

 

仮に、日本の「お金の流通量」が2倍になったとします。お金の流通量が2倍になっても、日本に存在する「物の数」は変わりません。

 

そうなるとお金の流通量が増えた分だけ、相対的に物の値段が上昇していきます。単純な理屈でいえば、お金の流通量が2倍になれば物の値段も2倍になります。

 

日本中の物の値段が2倍になると「お金があっという間になくなっていく」と思うかもしれません。しかし、そこまで心配する必要はありません。

 

なぜなら、インフレが起こると給料も増えていくからです。こちらも単純な理屈で考えれば、お金の流通量が2倍になれば給料も2倍になる計算です。

 

 

インフレになるほど借金が減っていく

次に、インフレと借金の関係について説明していきます。実は、インフレが起こると「借金の価値」が減っていきます。これはどういうことなのでしょうか?

 

例えば、あなたが400万円の借金をしているとします。そして、毎月の給料は20万円です。この場合、借金は「給料の20ヶ月分」ということになります。

 

ここでインフレが急激に進み、毎月の給料が50万円になったとします。そうなると借金は「給料の8ヶ月分」になります。さらにインフレが進行し毎月の給料が200万円になれば、借金は「給料の2ヶ月分」になり、2ヶ月あれば借金が返済できます。

 

このようにインフレが進行すると借金が減っていきます。借金の額は変わりませんが、「借金の価値」が減っていくのです。借金を抱えている人にとっては、インフレになることが望ましいということになります。

 

将来的には日本はインフレになる可能性が高いです。日本の莫大な借金を解消するためには、お金を大量に発行するしか解決策がないからです。

 

そのため、インフレになることを見越して、あえて借金をする人もいます。例えば、投資用不動産のローンを組む人がそれに当たります。将来を先読みし、日本の財政状況を逆手に取った対策を講じているのです。

 

 

インフレになると高齢者の生活が苦しくなる

前述のとおり、インフレが起きると物の値段とともに給料も上がっていきます。そのためサラリーマンやOLなど、働いている人にとってはインフレが起きてもあまり問題はありません。

 

ただ、収入がない高齢者にとっては、インフレになるほど生活が苦しくなっていきます。なぜなら物の値段が上がれば上がるほど、切り崩さなくてはならない預貯金が増えていくからです。

 

また、いくらお金の流通量が増えたからといって、そう簡単には年金の支給額は増えません。テレビなどで報道されているとおり、日本の年金問題は大きな課題を抱えています。そのため、インフレでお金の流通量が増えたとしても、簡単には支給額を上げることができないのが現状なのです。

 

 

デフレになると借金が増えていく

デフレ(デフレーション)とは「世の中の物の価値(物価)が下がり、お金の価値が上がる」ことをいいます。国が金融引き締めを行ったときなど、お金の流通量が急激に減ったときなどに起こります。

 

デフレが起こると、インフレとは逆の現象が起こります。お金の流通量が減るため、物価が下がり、給料が減っていきます。

 

そうなると困ってしまうのが借金をしている人です。借金の額は変わりませんが、給料が減るため、返済が完了するまでより多くの時間がかかってしまいます。

 

つまりデフレが進行すると、借金が増えていくのです。借金の額は変わりませんが、「借金の価値」が増えていくことになります。借金を抱えている人にとっては、デフレは望ましくない状況なのです。

 

バブル崩壊後、日本はデフレから脱却できずにいました。借金をしている人にとって、厳しい時代が続いていたのです。ただ、将来的にはインフレが進むと予想されているので、借金をしている人にとってはありがたい時代になるかもしれません。

 

以上のようにインフレになると借金が増え、デフレになると借金が減ります。一口に借金といっても、その価値は常に変動しているのです。借金額だけをみて頭を抱えるのではなく、インフレ・デフレの観点から借金を考えることも大切なのです。

 

 

まとめ

・インフレ(インフレーション)とは「世の中の物の価値(物価)が上がり、お金の価値が下がる」ことである。

 

・インフレが進むと借金の額は変わらないが、「借金の価値」が減っていくことになる。

 

・インフレになると物価が上がるため、収入が少ない高齢者の生活は苦しくなる。

 

・デフレ(デフレーション)とは「世の中の物の価値(物価)が下がり、お金の価値が上がる」である。

 

・デフレが進むと借金の額は変わらないが、「借金の価値」が増えていくことになる。

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