国は国民から借金をしている
日本は1000兆円以上もの借金を抱えています。その金額は個人や企業とは桁違いです。それでは、この国にこれほどのお金を貸しているのはいったい誰なのでしょうか?
それは私たち国民です。アメリカや中国などの他国ではありません。「国にお金を貸した覚えはない」と思うかもしれませんが、あなたのお金は知らないうちに国に借りられていたのです。
日本で生活している以上、国の財政状況はしっかりと把握しておくべきです。なぜなら国の財政状況が悪化すると、あなたの生活にも悪影響が及ぶからです。
そこで今回は「日本の借金の概要」や「国の借金が生まれる流れ」、「日本の借金が国民に与える影響」について解説していきます。
日本の借金額は国債と地方債の発行量で分かる
日本の借金額を把握するためには、国債や地方債について理解しておく必要があります。国債とは「国庫債券」の略で、国が発行する債券のことです。また、地方債は地方自治体が発行する債券のことです。
債券とは、「借用書のようなもの」と認識しておいてください。「債券を発行して売る=借金する」のようなイメージです。
国は国債を銀行やゆうちょ(ゆうちょ銀行)、保険会社などの金融機関に買ってもらっています。つまり、発行した国債や地方債に応じた額の借金をしていることになるのです。
国債や地方債は総額で1,000兆円以上も発行されています。そのため、日本の借金額も1,000兆円以上ということになるのです。
国民は金融機関を通して間接的にお金を貸している
次に「日本の借金が生まれる流れ」について解説していきます。
前述のとおり、国債や地方債を購入しているのは銀行やゆうちょ、保険会社、年金基金、農協、漁協、信用金庫などの金融機関です。特にゆうちょは80%以上もの資金を国債や地方債の購入に充てています。元々は国の金融機関であったため、これほど割合が高いのも納得できます。
これらの金融機関は自己資本(もともと持っているお金)をほとんど持っていません。金融機関が保有している資産のほとんどは、私たちが預けたお金なのです。つまり、金融機関は国民から預かったお金を使って、国債や地方債を購入していることになります。
金融機関が企業にお金を貸すには担保を取ったり、借金を取り立てたりと何かと手間がかかります。一方、国債や地方債を購入するときはほとんど手間がかかりません。そのため、国債や地方債の購入が増えていく傾向にあるのです。
私たちは国にお金を貸しているという実感がほとんどありません。ところが、実際は金融機関を通して間接的に国にお金を貸しているのです。どの金融機関にどのような形で預けても、国債や地方債という形で国にお金を貸すことになるのです。
日本の借金はこのような流れで生まれていきます。そして、これからも借金額は増え続けていくでしょう。
日本の借金のしわ寄せは国民にくる
このような現状を知ると「日本は財政破綻をするのでは?」と心配になってしまうかもしれません。ただ、実際はそのようになる可能性はかなり低いです。
日本の場合は他の国から借金をしているわけではありません。国民から借金をしているので、いくらでも対策を講じることができるのです。
例えば、国がお金を大量に発行すれば、借金を完済することもできるはずです。ただ、そのしわ寄せは国民にきてしまいます。お金の流通量が増えれば、インフレが進行してしまいます。そうなると物価が上昇し、国民の預貯金がどんどん減っていってしまうのです。
つまり、国が借金の対策を講じると、私たち国民が損をしてしまいます。莫大な借金のツケは、私たち国民が払わなければならないのです。
日本の財政状況についてご理解頂けたでしょうか? このような現状を考えると、ただ漠然と貯金をしているだけでは将来の対策としては不十分ということが分かると思います。そこで、将来のために金融知識を学び、さまざまな資産運用を実践していかなくてはならないのです。
まとめ
・国債や地方債は総額で1,000兆円以上も発行されている。
・国民は銀行やゆうちょ銀行、保険会社などの金融機関を開始て、間接的に国にお金を貸している。
・国が借金の対策を講じるとインフレが進行し、相対的に国民の資産価値が下がる。
『お金のガイドブック』: 無料メルマガ