日本の航空業界とJAL(日本航空)の経営破綻の関係

日本の航空業界とJAL(日本航空)の経営破綻の関係

日本の航空業界とJAL(日本航空)の経営破綻の関係

JAL 

日本の航空業界の中心となる企業が「JAL(日本航空)」です。JALのフライト数は一日に1,000以上もあり、年間の売り上げは1兆円を超えます。

 

日本の航空業界はJALとANA(全日空)の2社が圧倒的な売り上げを誇っています。この2社の売り上げは、3番手以降の航空会社の10倍以上もあるのです。見方を変えると、JALとANAが存在しなければ日本の航空業界は成り立たないことになります。

 

しかし、航空業界の中心的立場であるにも関わらず、JALは2010年に経営破綻しました。JALの経営破綻は業界を揺るがす大事件となったのです。

 

今回は「日本の航空業界とJALの経営破綻の関係」について解説していきます。JALが経営破綻した原因や経営再建までの流れなどをしっかりと把握しておきましょう。

 

 

JAL(日本航空)の経営破綻の概要と原因

経営破綻してしまったJALの負債総額は2兆3,000億円にものぼりました。これは航空業界だけでなく、日本企業として過去最大の負債を背負った事例でした。

 

JALの経営破綻には、さまざまな原因があったといわれています。いずれも簡単には解決できないものばかりでした。

 

人件費が高すぎた
JALの社員は他の企業とは比べ物にならないほど優遇されていました。給料が良いのはもちろんですが、退職金や年金もかなりの金額が支払われていました。また、パイロットには送迎が付いていたほどです。

 

社員にとってはありがたい環境ですが、視点を変えると人件費が高すぎたことになります。企業として「無駄」が多かったのです。

 

このような企業体質になっていた背景には、「労働組合」の影響がありました。JALには複数の労働組合が存在し、それぞれがとても力を持っていたため、企業として簡単にコストカットができなくなっていたのです。

 

「親方日の丸」の意識が強かった
親方日の丸とは「自分たちのバックには国家が控えているから倒産の心配はない」という考え方です。官庁や公営企業、公務員などに対する皮肉として使われるフレーズです。

 

JALは国との繋がりがとても強い企業でした。「何かあっても国が助けてくれる」という意識があったのです。

 

過去にも経営が苦しくなったときに、国から援助を受けたことがありました。そのときは業績を立て直しましたが、その後も企業体質は改善せず、どうしても甘さが残る経営が続いてしまったのです。

 

赤字路線が多かった
JALは「赤字路線」を多く運航していました。その理由にはJAS(日本エアシステム)との合併が関係しています。

 

1980年代以前、日本の航空業界は「事業の住み分け」が行われていました。数社の大手航空会社が航空業界の主となる路線を分担する仕組みです。

 

具体的には「JALが国際線」、「JASが国内地方線」、「ANAが国内主要線」となっていました。このように住み分けたことにより、業界内で競争が起きにくくなり、大手航空会社は安定した経営ができるというわけです。

 

しかし、1980年代以降に規制緩和が進んだことにより、徐々に競争が激しくなっていきました。この競争によりJASの体力がなくなり、JALに救済される形で経営統合することになったのです。

 

しかし、JALが引き継いだあとも、JASが担当していた「国内地方線」の赤字は改善しませんでした。そして、JALの経営を蝕んでいったのです。

 

投資に失敗した
JALは航空事業以外にも投資していました。ホテル事業などを立ち上げ、企業として体力を付けようとしたのです。

 

しかし、それらの事業は十分な利益を上げることはできませんでした。結果的にメインとなる航空事業の足を引っ張ってしまったのです。

 

これらの要因が複雑に絡み合い、JALの経営はどんどん悪くなっていきました。そしてついに、経営破綻してしまったのです。

 

 

公的資金の投入とJALの経営再建の関係

経営は破綻してしまいましたが、JALという企業がなくなったわけではありません。JALは政府から「公的資金」の援助を受け、経営を再建させたのです。

 

公的資金とは「国や地方公共団体が、企業を助けるために使うお金」のことです。企業の経営が悪化したときに投入されます。

 

公的資金の援助を受けた企業は、経営が回復したら国や地方公共団体にお金を返さなくてはなりません。企業は、国や地方公共団体から借金をして経営を立て直しているのです。

 

公的資金の投入や業務改善、リストラ、給与の削減などが行われたことにより、JALの経営は急激に回復しました。経営破綻した翌年の2011年には黒字に転じたのです。

 

このようなV字回復を成し遂げた背景には、破綻後に会長に就任した稲盛和夫氏(京セラおよびKDDIの創業者)の経営手腕もありました。そして、2012年には再び東証一部に上場することになったのです。

 

ただ、JALの復活劇には批判の声が多いのも事実です。公的資金の投入だけでなく、法人税も免除されていたため、航空業界全体から「JALは優遇されすぎている」と指摘されてしまったのです。

 

以上のように、企業体質にさまざまな問題があり、JALは経営破綻してしまいました。JALほどの大企業でもこのような事態になる可能性があることを覚えておきましょう。

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