遺族年金とは「国がかけてくれている生命保険」のことである

遺族年金とは「国がかけてくれている生命保険」のことである

遺族年金とは「国がかけてくれている生命保険」のことである

 

年金は「老齢年金」、「障害年金」、「遺族年金」の3つに大別できます。そして、それぞれ別の役割を持っているのです。

 

老齢年金は私たちに最もなじみのある年金です。「働いている人が払った年金保険料を、高齢者が受け取る」という制度です。よく、「将来、年金がもらえるか不安だ」といっている人がいますが、その場合の年金は老齢年金のことを指しています。

 

障害年金はその名の通り、障害を持ってしまったときにもらえる年金です。「年金保険料を払っている人が事故や病気などで障害者になった場合に、障害年金が支払われる」という制度です。

 

遺族年金は「年金保険料を払っている人が死亡したときに、遺族に年金が支払われる」という制度です。「死亡した場合に、残された家族にお金が支払われる」という仕組みは生命保険と同じです。

 

今回は「遺族年金」について詳しく解説していきます。万が一のときに残された家族を助けてくれる遺族年金は、私たちの強い味方になってくれます。自分のためにも家族のためにも、遺族年金の概要と必要性をしっかりと理解しておきましょう。

 

 

 

遺族年金は生命保険の代わりになる

私たちは毎月「年金保険料」を払っています。年金保険料を払っているからこそ、老後に年金を受け取ることができるのです。年金保険料を払っていない人は、老後に年金を受け取ることができません。

 

また、年金保険料を払っていると、自分自身が死亡したときにも年金が支払われます。

 

例えば、サラリーマンとして働いている夫が死亡したとします。この場合、妻と子どもが遺族年金を受け取ることができるのです。

 

遺族年金はそれまでに払った年金保険料に関係なく、一定の金額を受け取ることができます。そのため、年金保険料を払い始めて間もない頃に死亡したからといって、「少額しか遺族年金がもらえなかった」ということはありません。

 

このような仕組みになっているため、「遺族年金は生命保険の代わりになる」ということが分かると思います。遺族年金は「国がかけてくれている生命保険」なのです。

 

 

「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金(および遺族共済年金)」の違い

遺族年金には「遺族基礎年金」、「遺族厚生年金」、「遺族共済年金」の3種類があります。それぞれ、国民年金(基礎年金)、厚生年金、共済年金の遺族年金になります。

 

すべての国民は国民年金(基礎年金)に加入しているので、死亡したときに残された家族に遺族基礎年金が支払われます。

 

ただ、遺族基礎年金を受け取れる遺族は「子どもがいる妻(もしくは夫)」または「子ども」に限られます。子どもがいない妻(もしくは夫)には、遺族基礎年金は支給されません。このような場合は、自分で働いて稼がなくてはならないのです。

 

また、子どもの人数が多いほど遺族基礎年金の支給額が増えます。子どもの加算額は、2人目までは約22万円、3人目以降は約7万円となっています。

 

さらに、サラリーマンやOLなど、厚生年金に加入している人は遺族基礎年金に加えて「遺族厚生年金」も支払われます。そして、遺族厚生年金は子どもがいなくても受け取ることができます。配偶者の受取期間は基本的に一生涯です。

 

公務員などが加入している遺族共済年金も、遺族厚生年金と同様です。子どもがいなくても遺族共済年金を受け取ることができます。

 

以上のことを一覧でまとめると、以下のようになります。

 

 

 

 

一般家庭の具体例

それでは最後に、一般家庭で遺族年金が支払われるケースを紹介していきます。この内容を理解できれば、自分自身の状況にも応用して考えることができるはずです。

 

35歳のサラリーマンの夫と、32歳の専業主婦の妻と5歳と3歳の子どもがいる家庭があるとします。夫が交通事故で亡くなってしまい、妻と子どもに遺族年金が支払われることになりました。

 

子どもがいる家庭では、年間で約78万円の遺族基礎年金が支給されます。さらに、子どもの人数に応じて支給額が加算されます。子ども1人につき年間で約22万円が加算されるので、2人合わせて年間で約44万円が支給されることになります。

 

※子どもが高校を卒業すると、子どもがいない家庭と同じ扱いとなり、妻の分も含めて遺族基礎年金の支給はなくなります。その代わりに「娼婦加算」が算定され、妻が65歳になるまで年間約58万円が支給されます。また、65歳以降では老齢年金が支給されます

 

さらに、夫はサラリーマンとして働いていたので、遺族厚生年金も支払われます。遺族厚生年金は遺族基礎年金と違い、子どもがいなくても受け取ることができます。

 

遺族厚生年金の支給額は夫の年収によって異なります。そのため個人差がありますが、この年代のサラリーマンが死亡した場合は年間で50万円くらいの支給額になることが多いです。

 

以上のことをまとめると、「78万円+44万円+50万円=172万円」となります。月々に換算すると約14万円が支給される計算になります。子どもが高校を卒業するまで毎月14万円が支給されるので、家庭にとってはかなり大きな収入源になります。

 

また、今回のケースを長期的に見てみると、子どもが2人とも高校を卒業するまでに約2,500万円の遺族年金を受け取ることができます。

 

もし自分が死亡してしまったときに、「遺族年金がどれくらい支払われるか」を計算しておくことはとても大切です。ある程度の収入は遺族年金が保障してくれるので、足りない分を民間の生命保険で補うようにしましょう。

 

そして、生命保険に加入するときは、必ず遺族年金の収入を計算しておいてください。なぜなら、遺族年金の制度を説明しない不親切な保険の営業マンがいるからです。そのような営業マンのいうことを聞くと、必要以上に不安になってしまいます。そして、無駄に高額な生命保険に加入してしまうことになるのです。

 

生命保険に加入することは大切ですが、不必要な出費は避けるべきです。「遺族年金」の仕組みをしっかりと理解し、自分と家族にとって適正な生命保険を選ぶようにしましょう。

 

 

まとめ

・遺族年金は「年金保険料を払っている人が死亡したときに、遺族に年金が支払われる」という制度である。そのため、遺族年金は生命保険の代わりになる。

 

・子どもがいない妻(もしくは夫)には、遺族基礎年金は支給されない。

 

・厚生年金に加入している人は遺族基礎年金に加えて「遺族厚生年金」も支払われる。そして、遺族厚生年金は子どもがいなくても受給できる。

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