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老後に受け取れる年金は、払った金額よりも少なくなる

老後に受け取れる年金は、払った金額よりも少なくなる

 

日本の年金制度は厳しい状況が続いています。少子高齢化が進んでいるため、年金の収入が減り、支出が増え続けているのです。

 

もともと、日本の年金制度は日本人の平均寿命が65歳くらいのときに作られました。そのため、平均寿命が80歳を超えている現代では、この制度が成り立つのは無理があるのです。

 

そして、日本はこれからも少子高齢化が進んでいくので、この状況が改善されることはまずありえません。

 

状況が悪化する一方なのに、老後に年金を受け取ることはできるのでしょうか? 仮に受け取ることができるとしても、老後の生活をしていくのに十分な金額なのでしょうか? 

 

今回は「老後に受け取れる年金額」について解説していきます。今のうちから、老後にはどれくらいの年金を受け取れるのかを把握し、対策を講じておくようにしましょう。

 

「積立方式」と「賦課(ふか)方式」の違い

はじめに、日本の年金制度について説明していきます。もともと、年金制度には「積立方式」と「賦課(ふか)方式」の二つの形式があります。

 

積立方式は「自分が払った年金保険料を、老後に受け取る」という仕組みです。その名の通り、積立貯金のようなイメージです。

 

一方、賦課方式は「働いている人が払った年金保険料を、高齢者が受け取る」という仕組みです。同じ時代の中で、「支払い」と「受け取り」を完結させてしまうやり方です。

 

1961年に国民年金制度が施行され、国民全員が年金制度に加入しなければならなくなりました。

 

国民年金制度が始まった頃は、積立方式が導入されていました。しかし、1970年に賦課方式に変更されました。それ以降は賦課方式のままで、「働いている人が払った年金保険料を、高齢者が受け取る」という状態が続いています。

 

国が賦課方式に切り替えたのは「経済成長に伴うインフレに対応するため」です。 数十年前と現代では、物価が大きく異なります。大学の初任給が1万円の時代もありましたが、現在では20万円程度です。

 

もし現在でも積立方式のままだったら、働いている頃に払った年金保険料を、自分で受け取ることになります。その金額はおそらく1,000円程度です(数十年前は物価が低く、給料の「金額」も低いため)。

 

老後に毎月1,000円を受け取ったところであまり意味はありません。その程度の金額では生活の足しにはならないのです。

 

このように、積立方式は時代の変化に対応しきれません。それに対して、賦課方式は同じ時代の中で支払いと受け取りを完結させてしまうので、物価や生活水準に合った金額を受け取ることができます。

 

老後に受け取れる年金は、払った金額よりも少なくなる

続いて、老後に受け取れる年金額について解説していきます。

 

教師として働いてた私の祖父は、毎月27万円もの年金を受け取っていました。それでは、祖父は働いていたときに毎月27万円も年金保険料を払っていたのでしょうか?

 

もちろん、そのようなことはありません。現代の高齢者は払った年金保険料よりも多くの金額を受け取っているのです。

 

当時の日本は高度経済成長期であり、国も高齢者にたくさんの年金を払うと取り決めていました。そのような背景があるため、現代の高齢者はたくさんの年金を受け取っているのです。

 

しかし、バブル崩壊後にこれほど不況が続くとは予想されていませんでした。日本の年金制度を維持するため、国は年金の受給額を減らし始めました。すでに支払われている年金額を大きく変えることはできませんが、これから受け取る人たちの年金額はいくらでも変えることができます

 

40代の人たちは「払った金額と受け取る金額が同じくらいになる」といわれています。

 

そして、それよりも若い世代の人たちは「払った金額よりも、受け取れる金額少なる」といわれています。特に20代の人たちは「年金はほとんど受け取れない」くらいに思っておいたほうがよいかもしれません。

 

年金保険料を払う必要性

最後に、「年金保険料を払う必要性」について解説していきます。

 

将来年金を受け取ることができない(もしくはほとんど受け取れない)なら、年金保険料は払わないほうがよいのでしょうか? 事実、若者を中心に年金保険料を払っていない人は大勢います。

 

いかに日本の年金制度に不安があるからといって、年金保険料を払わないのはよくありません。年金保険料には「払うべき理由」があるのです。

 

年金というと、多くの人が「老後にお金を受け取れる制度」というイメージを持っています。間違いではありませんが、それは「老齢年金」という年金制度の一つに過ぎません。日本の年金制度には老齢年金の他に、「障害年金」と「遺族年金」という制度があります。

 

障害年金は「年金保険料を払っている人が事故や病気などで障害を持ったときに、年金が支払われる」という制度です。「国がかけてくれている障害保険」のようなものと思ってください。

 

※「障害」保険……事故や病気などが原因で、「障害を持ったとき」に保険金が支払われる保険
※「傷害」保険……事故などが原因で、「ケガをしたとき」に保険金が支払われる保険

 

また、遺族年金は「年金保険料を払っている人が死亡したときに、遺族に年金が支払われる」という制度です。「国がかけてくれている生命保険」のようイメージを持ってください。

 

障害年金も遺族年金も、きちんと年金保険料を払っていないと、いざというときにお金が支払われません。これらの制度を十分に活用するためにも、年金保険料を払う必要はあるのです。

 

以上のように、日本の年金制度にはさまざまな背景や制度があります。老後に受け取れる年金が少なくなるのは明白ですが、障害年金と遺族年金があることを考えると、年金保険料はしっかりと払っておいたほうがよいでしょう。


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