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リーマン・ショックによる大不況と「円高」の関係

リーマン・ショックによる大不況と「円高」の関係

 

「リーマン・ショック」の影響で、世界経済は大きな損害を受けてしまいました。

 

日本経済へのダメージも深刻で、赤字になる企業が続出し、リストラや派遣切りが行われることになったのです。

 

日本企業の業績が悪化した要因の一つに「円高」があります。リーマン・ショックが原因で円高が急激に進行し、日本企業が利益を得られなくなってしまったのです。

 

今回は「リーマン・ショックと円高の関係」について解説していきます。「リーマン・ショックが円高にどのような影響を及ぼしたのか」や「なぜ円高になると日本企業の経営が苦しくなるのか」などをしっかりと理解しておきましょう。

 

また、最後に「円高」を逆手に取った資産形成法についても紹介しています。その概要を理解すれば、日本経済が低迷しても資産形成が可能であることが分かるはずです。

 

リーマン・ショックは「恐慌」である

2008年にアメリカの大手投資銀行である「リーマン・ブラザーズ」が経営破綻しました。この破綻をきっかけにリーマン・ショックが起こり、世界中がとてつもない不景気に陥ってしまったのです。

 

リーマン・ショックは「世界恐慌」に匹敵するほどの金融不安といわれています。

 

世界恐慌とは「1929年にアメリカで発生した株式の大暴落をきっかけに、世界経済が大損害を受けた金融危機」のことです。この影響で、全世界で1,000万人以上が失業してしまいました。

 

当時、世界中の国々がさまざまな政策を打ち出し、なんとか金融不安を解消しようとしました。しかし、ほとんど成果を得られないまま、深刻な不景気が続いてしまったのです。

 

そもそも、「不況」と「恐慌」には大きな違いがあります。「不況」はじわじわと進んでいきますが、「恐慌」は突然発生し、あっという間に世界中に広がっていきます。恐慌から経済を回復させることは不可能に近いのです。

 

それでは、1929年に始まった世界恐慌から、世界経済はどのようにして復活したのでしょうか?

 

その答えは「戦争」です。世界恐慌による不景気から脱却することができないまま、第二次世界大戦が勃発してしまいました。もちろん、戦争は良くないことですが、経済を動かすためにはこれ以上の方法はありません。

 

第二次世界大戦では世界中で戦闘機や戦艦、航空母艦などが大量に製造されました。兵器や武器を作るために、日本では家庭にある金属まで政府に没収されたほどです。

 

また、戦争が終わると、破壊された街を作り直すためにさまざまな事業が行われました。このようにして経済が活性化し、世界恐慌から復活することになったのです。

 

サブプライムローンの崩壊から始まったリーマン・ショック

前述のとおり、リーマン・ショックの発端となったのは「リーマン・ブラザーズの経営破綻」です。そして、リーマン・ブラザーズが破綻した一番の原因は「サブプライムローンの崩壊」です

 

サブプライムローンとは「低所得者向けの住宅ローン」のことです。当時、アメリカの不動産業界は景気が良く、住宅価格は上がる一方でした。住宅ローンの審査基準もかなり甘かったため、所得が少ない人でもローンを組むことができたのです。

 

ところが、低所得者でも住宅ローンを組むことができたことがあだとなりました。ローンを返済できない人が続出し、ついにはサブプライムローンという制度自体が成り立たなくなってしまったのです。

 

この影響はリーマン・ブラザーズを直撃しました。リーマン・ブラザーズは「サブプライムローン関連の金融商品」に多額の投資をしていたため、莫大な損失を被ってしまったのです。

 

リーマン・ブラザーズが経営破綻したことにより、世界中に金融不安が広がりました。金融危機が起こると、銀行などの金融機関は融資をしなくなります。不測の事態があったときに対応できるようにするため、手元にお金を置くようになるのです。

 

そうなると困ってしまうのが「企業」です。金融機関から融資を受けられないため、事業を行うことができなくなってしまいます。リーマン・ショックの影響で、世界中の企業が倒産に追い込まれてしまったのです。

 

アメリカは「ドル安政策」を行い、リーマン・ショックから復活した

リーマン・ショックで大不況に陥った世界経済を復活させるためには、世界の中心である「アメリカの経済」を復活させなければなりません。アメリカは世界のどの国よりも力を持っているので、自国の経済の復活を最優先させました。

 

まず、アメリカは「ドル安政策」を行いました。ドルの価値を下げれば、相対的に他国の通貨価値は上がります。このような状況になると他国からの輸入が減り、自国の産業が発展していきます。

 

例えば、「1ドル=200円」であれば、1万円の日本製品を買うのに500ドルが必要になります。ここで、ドル安(=円高)が進み、「1ドル=100円」になったとします。そうなると、1万円の日本製品を買うのに、倍の1,000ドルが必要になります。

 

つまり、ドル安(=円高)が進んだことで、アメリカ人は日本製品をはじめとする海外製品を買いづらくなってしまったのです。このような理屈のため、ドル安になるとアメリカの輸入が少なるのです。

 

他国の製品が売れなくなれば、その代わりに自国の製品が売れるようになります。アメリカはドル安政策を強行することで、自国の産業の活性化を図りました。

 

アメリカの経済はリーマン・ショックが起こってから2,3年で復活を遂げました。アメリカだけでなく、ヨーロッパの国々も自国通貨安政策を行い、経済を回復させました。ところが、日本だけはその政策を行わなかったのです。

 

対策を行わなかった日本は極端な円高になった

日本は自国通貨安政策を行わなかったため、円高が進んでしまいました。「1ドル=80円」を下回った時期もあったほどです。

 

日本が円安政策を行わなかったのには、アメリカからの圧力が関係しているといわれています。実際のところは分かりませんが、リーマン・ショック後に円高の時代が続いたのは事実です。

 

円高が続いたことで、日本の産業は衰退してしまいました。特にトヨタなどの輸出企業は大赤字となり、大規模なリストラや派遣社員の解雇が行われることになったのです。

 

円高傾向を逆手に取った資産形成法

ただ、円高になると良いこともあります。自国の産業は衰退してしまいますが、その代わりに輸入しやすくなるのです。つまり、海外の商品を安く買えるということです。

 

これは海外旅行にも当てはまります。

 

例えば、グアム旅行に行くのに1,000ドルがかかるとします。「1ドル=120円」であれば、12万円が必要です。しかし、円高が進み「1ドル=80円」になれば、8万円でグアム旅行に行けることになります。

 

そして、この理屈は資産運用にも通じます。

 

例えば、海外の金融機関に毎月1,000ドルを積み立てるとします。海外旅行のときと同様に、「1ドル=120円」であれば、12万円が必要になります。しかし、円高が進み「1ドル=80円」になれば、8万円しかかかりません。

 

このように、円高になるほど海外での資産運用のメリットが大きくなります。そのため、私もリーマン・ショック後の円高の時代から、海外の金融機関で積み立てを行うようになりました。

 

具体的には、毎月1,250ドルを海外の金融機関に積み立てることにしました。「1ドル=120円」なら15万円もかかってしまいますが、「1ドル=80円」くらいだったので10万円で積み立てができていました。

 

当時の円高傾向を利用して、より少ない円で1,250ドルを積み立てることができたのです。

 

日本の経済動向を考えると、今後は円安が進んでいくと予想されています。「1ドル=150円」、「1ドル=200円」という時代が来るかもしれません。

 

私としてはそのようになっても問題ありません。今では海外資産を10万ドルくらい保有しているので、円安になるほど日本に戻したときの資産価値が大きくなるからです。

 

ただ、このような対策をしていない人は、円安が進行する前に、ドル建てなどの「円建て以外の資産」を保有することが重要になるのです。


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