【ビッグ3の敗北】アメリカ自動車産業が衰退した理由

【ビッグ3の敗北】アメリカ自動車産業が衰退した理由

【ビッグ3の敗北】アメリカ自動車産業が衰退した理由

【ビッグ3の敗北】アメリカ自動車産業が衰退した理由

 

1970年代から1980年代にかけて、アメリカの自動車産業は厳しい経営状態が続きました。「ビッグ3」の一角である「クライスラー」は経営危機に陥ったほどです。

 

アメリカ自動車メーカーのビッグ3:クライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズ。いずれも大手自動車メーカーであり、第二次世界大戦後のアメリカ自動車産業を牽引した。

 

それではなぜ、世界有数の自動車メーカーであるクライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズは経営が苦しくなってしまったのでしょうか?

 

今回は「アメリカの自動車産業が衰退した理由」について解説していきます。この衰退には、「戦争から復活した日本経済」と「ビッグ3の経営戦略」が関係していたのです。

 

 

 

「日本の高度経済成長」がアメリカ経済を揺るがした

第二次世界大戦からしばらく経つと、世界の経済状況に変化が見られるようになりました。大戦を制し、独壇場を築いていたアメリカ経済に陰りが見え始めたのです。

 

アメリカの経済を揺るがしたのは「日本の高度経済成長」です。1955年から1973年にかけて、日本の実質経済成長率は年平均10%前後を維持していました。これは非常に高い水準です。

 

さまざまな産業が発達し続け、徐々に日本の自動車やテレビがアメリカの市場を侵食するようになりました。質の高い日本製品が、アメリカで売れるようになったのです。逆にアメリカの製品は、日本を始めとした海外で売れなくなっていきました。

 

その結果、戦後から続いていた日米貿易収支は逆転し、日本が黒字、アメリカが赤字となってしまったのです。

 

アメリカとしてはこのような状況を放置しておくわけにはいかないので、日本と議論を行い、貿易摩擦の是正を図ろうとしました。しかし、日本からの輸出品は増え続けていったため、貿易収支の差は広がるばかりでした。

 

 

ビッグ3が敗北した理由

日本からの輸出が増えるにつれて、特に影響を受けたのが自動車産業でした。アメリカ自動車産業のビッグ3と呼ばれるクライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズは、いずれも経営難に陥ってしまったのです。

 

これらの自動車メーカーは、大型自動車高級自動車が生産の中心となっていました。しかし、オイルショックの影響もあり、その時代の大衆に受け入れやすいのは小型自動車だったのです。

 

オイルショック:1973年(第一次)および1979年(第二次)の石油価格の値上げに伴う、世界的な経済混乱。石油価格の上昇に伴いさまざまな製品の製造が滞った。日本では店舗からトイレットペーパーなどの製品がなくなった。

 

この3社は顧客ニーズの変化を一時的なものとして捉えていました。また、大型自動車、高級自動車の方が利益が高いため、それらの生産に拘ったのです。

 

その結果、日本の自動車メーカーの浸食をもろに受けてしまいました。

 

自分たちの戦略が間違いだったことにようやく気付いた3社は、急いで小型自動車の開発に乗り出しました。しかし、トヨタやホンダなどの日本の自動車メーカーが市場を席捲していたため、そこから挽回することはできませんでした。

 

このような流れで、クライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズは敗北してしまったのです。それほど、日本の高度経済成長と日本の自動車メーカーの勢いは凄まじかったことになります。

 

 

まとめ

・1970年代から1980年代にかけて、アメリカの自動車産業は厳しい経営状態が続いた。ビッグ3と呼ばれるクライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズはいずれも経営難に陥った。

 

・日本の高度経済成長により、日本製品のアメリカへの輸出が増え、ついには戦後から続いていた日米貿易収支は逆転した。

 

・クライスラー、フォード、ゼネラル・モーターズは顧客のニーズを見誤り、さらに大型自動車および高級自動車の生産に拘ったため、市場を日本の自動車メーカーに浸食されてしまった。


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