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世界と日本で行われた「預金封鎖」

世界と日本で行われた「預金封鎖」

 

国の財政が悪化したときに「預金封鎖」が行われることがあります。預金封鎖とは「銀行などの金融機関が資産の引き出しを制限すること」です。

 

国家財政が悪くなると国民は不安になり、自分のお金を引き出すために金融機関を訪れます。「国家が破産してお金の価値がなくなってしまう前に使ってしまおう」と考えるのです。

 

しかし、金融機関としては国民の要望に応えることはできません。金融機関は企業や個人に融資しているため、常にたくさんのお金を手元に置いているわけではないからです。一度に大量のお金を引き出されないようにするために、このような措置を取るのです。

 

預金封鎖は世界中で行われてきました。さまざまな国に預金封鎖を実施してきた歴史があるのです。

 

そして、なんと日本でも預金封鎖が行われたことがあります。その影響で日本国民は資産を失ってしまいました。

 

今回は「世界と日本で行われた預金封鎖」を紹介していきます。また、最後に「預金封鎖の対策」についてもお伝えしていきます。万が一に備えて、私たちにできる対策の概要を把握しておきましょう。

 

世界で行われた預金封鎖

預金封鎖は世界各国で実施されてきました。そのなかでも世界中に衝撃を与えたのが、1990年にブラジルで発動された「コロールプラン」です。コロール大統領が計画した預金封鎖であることから、このような名称がつけられました。

 

コロールプランが発動したことにより、ブラジルのすべての金融機関が閉鎖されてしまいました。そして、国民は預金を引き出せなくなってしまったのです。

 

コロールプランは「ハイパーインフレ」に対抗するための緊急措置でした。当時のブラジルは物価が前年の20倍にもなるとてつもないインフレに陥っていたのです。

 

コロールプランで国民の預金を凍結している間に、ブラジル政府は通貨を「クルゼイロ」から「レアル」に切り替えてしまいました。この措置によりハイパーインフレは解消されましたが、国民はほとんどの資産を失ってしまったのです。

 

また、アルゼンチンでも預金封鎖が行われたことがあります。

 

1999年にブラジルの通貨であるレアルが暴落しました(ブラジルは頻繁に経済状態が悪化します)。その反動で、近隣のアルゼンチンの通貨であるペソの価値が上がってしまったのです。

 

ペソの価値が高騰したために、アルゼンチンで作られた商品の値段がものすごい勢いで上がっていきました。アルゼンチン産の商品は外国でまったく売れなくなり、輸出産業が致命的なダメージを受けてしまったのです。

 

そして、アルゼンチンの経済はどんどん悪化していきました。2001年に預金封鎖が発動され、ついには経済が破綻してしまったのです。

 

2013年にキプロスで起こった預金封鎖も有名です。

 

当時、キプロスの金融機関はロシアの富裕層から多額の資金を預かっていました。そして、その資金を運用するため、国外にお金を貸し出していたのです。

 

この流れ自体には何の問題もありません。「世の中にお金を回す」のは金融機関の大切な役割です。そしてそれは国内も国外も関係ありません。ただ、キプロスの金融機関の場合は「お金を貸した相手」が悪かったのです。

 

キプロスの金融機関は昔から繋がりが深かった「ギリシャ」にお金を貸していました。ギリシャの国債を大量に購入していたのです。しかし、ギリシャが財政破綻してしまい、キプロスの金融機関は莫大な損失を被ってしまいました。

 

そして、そのときに預金封鎖が発動されました。キプロスのように、現代でも預金封鎖が起こることは十分にありえるのです。

 

日本では戦後に預金封鎖が行われた

冒頭で述べたように、日本でも預金封鎖が行われたことがあります。戦後に日本の財政が悪化し、国民は預金を引き出せなくなってしまったのです。

 

日本では預金封鎖が実施されている間に、「通貨切り替え(新円切替)」が行われました。

 

通貨切り替えとは「現在使われている通貨の流通を停止し、新しい通貨を流通させること」です。その名の通り、国の通貨を切り替える政策です。ブラジルが国の通貨を「クルゼイロ」から「レアル」にしたのも、通貨切り替えになります。

 

通貨切り替えは預金封鎖に合わせて実施されます。国と金融機関は預金封鎖でお金の引き出しを制限し、その間に通貨切り替えを行います。そして、今まで使われていた通貨の価値をなくしてしまうのです。

 

その代わりに新しい通貨が発行されますが、国民が受け取れる金額はほんのわずかです。今まで預けていた資産価値には到底及びません。

 

つまり、通貨切り替えが行われたことで、国民は「資産のほとんどを国に没収されてしまった」ことになるのです。驚いたかもしれませんが、日本でも戦後にこのような措置が取られたことがあるのです。

 

将来的に日本で預金封鎖が行われる可能性は低い

それでは今後、日本で預金封鎖が行われることはあるのでしょうか?

 

未来のことなので絶対とはいえませんが、日本で預金封鎖が行われる可能性はかなり低いです。実際に多くのアナリストも「預金封鎖が行われるとは考えにくい」と予測しています。

 

ただ、「現代の日本の財政状況はかなり悪い」ということは覚えておいてください。

 

現代における日本の借金はGDP(国内総生産)の約2.5倍です。このことを一般家庭に置きかえると、「年収500万円の家庭が、1,250万円の借金を抱えている」ということになります。

 

一方、戦後における日本の借金はGDPの約2倍です。つまり、数値だけをみると、現代の方が戦後よりも財政状況が悪いのです。

 

現代と戦後ではさまざまな状況が異なるので、一概に比較することはできません。ただ、国の財政状況が悪いことは事実です。そのため、自分の資産を守るために対策を講じておくことが重要になるのです。

 

預金封鎖の対策:株、不動産、海外資産

最後に「預金封鎖の対策」について解説していきます。預金封鎖が起こる可能性が低いとはいえ、念のため「どのような対策があるのか」を知っておいてください。

 

預金をしなければ預金封鎖の影響を受けることはありませんが、それは現実的な対策ではありません。そうではなく、「預金(および貯金)以外の資産を持つ」ことが有効な対策になります。

 

預金以外の資産の一例として「」や「不動産」が挙げられます。預金を株や不動産に変えておけば、預金封鎖が行われても問題はありません。これらの資産は預金封鎖や通貨切り替えの対象にはならないからです。

 

また、「海外資産を保有する」というのも効果的な対策になります。預金封鎖は国内を対象とした政策なので、海外の資産には影響が及びません。さすがに日本の財政事情を海外まで持ち出すことはできないのです。

 

海外資産を保有する場合は、海外の金融機関と直接契約することが重要になります。日本の銀行や保険会社で「外貨積み立て」をしても意味がありません。

 

これらの資産は日本の金融機関を介して外貨に換えられているので、日本国内の資産として扱われてしまうのです。そして、結局は預金封鎖や通貨切り替えの対象となってしまいます(外資系の保険会社なども日本法人なので同様です)。

 

「純粋な海外資産」を保有するためには、「海外の金融機関」と直接契約する必要があります。「海外の金融機関と契約する方法なんて分からない」という人も多いと思いますが、実際はそこまで難しくはありません。

 

日本には海外の金融機関との契約をサポートしてくれる仲介企業がたくさんあります。そのような企業を介して海外の金融機関と契約すれば良いのです。

 

ただ、悪徳な仲介企業もあるので、そのような業者に依頼することのないように気を付けてください。しっかりと情報を集め、信頼できる企業を見定めてから契約するようにしましょう。

 

また、これらの対策は預金封鎖だけに有効なわけではありません。資産をさまざまな形に変えておくことで、リスクの分散を図ることができるのです。「分散」は資産運用の基本です。

 

以上のように、預金封鎖は世界中で行われてきました。そして、日本でも実施されたことがあります。

 

現代の日本において預金封鎖が実施されるとは考えにくいですが、可能性がないわけではありません。ただ、あらかじめ対策を講じておけば、預金封鎖を不安に思う必要はなくなります。


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