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リーマン・ショックによる日本の自動車産業への影響

リーマン・ショックによる日本の自動車産業への影響

 

あなたの周りで、自動車業界で働いている人はいるでしょうか?

 

もし、そのような人がいるのであれば、「リーマン・ショック」が起きたときにつらい思いをしているはずです。なぜなら、リーマン・ショックは日本の自動車産業に甚大な損害をもたらしたからです。

 

大手自動車メーカーに勤めている私の友人も、リーマン・ショックのときに「ボーナスが減ったな〜」とぼやいていました。

 

今回は「リーマン・ショックによる日本の自動車産業への影響」について解説していきます。日本の軸となる産業が損害を受けたことで、日本全体が不景気になってしまったのです。

 

リーマン・ショックと車の消費の関係

リーマン・ショックによる大不況の影響で、世界中の人が車を買わなくなってしまいました。

 

そのなかで、車を買うのが最も困難になってしまったのが「アメリカ人」です。なぜなら、アメリカの銀行がお金を貸さなくなってしまったからです。

 

リーマン・ショックほどの恐慌が起こると、銀行は資金を手元に置いておくようになります。何かあったときに使えるお金を確保しておくためです。

 

つまり、銀行が自動車ローンを組まなくなってしまったのです。それほどまでに、リーマン・ショックの金融不安は大きなものでした。自動車ローンを組めなくなってしまったため、車を買う人が激減していきました。

 

当然の理屈ですが、車を買う人がいなくなれば、自動車メーカーの経営が危うくなります。実際にリーマン・ショックの影響で、世界有数の自動車会社であるGM(ゼネラルモーターズ)やクライスラーが、事実上の倒産に追い込まれました。

 

そして、トヨタやホンダなどの日本の自動車メーカーも大きな損害を受けてしまいました。なぜなら、これらの自動車メーカーはアメリカにたくさんの車を輸出していたため、リーマン・ショックの影響で売り上げが激減してしまったのです。

 

日本の自動車産業と円高・円安の関係

日本の自動車メーカーの経営が苦しくなった要因は他にもあります。リーマン・ショックの影響で為替(円高・円安)が変動し、利益を上げられなくなってしまったのです。

 

バブル崩壊後、日本は長期に渡って不景気が続いていました。銀行は景気を良くするために金利を低く設定し、企業や個人がお金を借りやすい状況を作り出しました。そうすることで世の中にお金の流れを生み出し、経済を活性化しようとしたのです。

 

ここで、日本の銀行の「金利の低さ」に目を付けたのが、海外の投資銀行などの金融機関です。日本の銀行から低金利で多額のお金を借り、そのお金をドルやユーロに変えて運用していました。

 

このような流れで「円」が世界中に出回ることになりました。世界中に広がれば広がるほど、円の「価値」は下がっていきます。そして、円安はどんどん進行していきました。

 

これはトヨタやホンダなどの大手自動車メーカーにとってありがたい状況です。なぜなら、これらの自動車メーカーは海外にたくさんの車を輸出しているからです。そして、円安になるほど自社の利益が増えることになります。

 

例えば、240万円の日本車を海外に売るとします。「1ドル=100円」のときに売れば、24,000ドルを手に入れることができます。

 

その後、円安が進み、「1ドル=120円」になったとします。この場合、240万円の日本車を海外に売れば、28,800ドルを手に入れることができます。

 

このように、同じ240万円の車でも、円安である「1ドル=120円」の方が多くの「ドル」を入手することができます。つまり、海外に輸出する場合は、円安になるほど儲けが大きくなるのです。

 

バブル崩壊後の円安傾向の恩恵を受け、日本の自動車メーカーは順調に利益を上げ続けていました。

 

しかし、リーマン・ショックの影響で一気に円高が進み、日本の自動車産業は致命的なダメージを受けることになります

 

リーマン・ショックによる円高で日本車が売れなくなった

先ほどの例を海外からの視点で見てみましょう。

 

「1ドル=120円」であれば、240万円の日本車を買うためには20,000ドルが必要になります。しかし、円高が進んで「1ドル=80円」になると、240万円の日本車を買うためには30,000ドルが必要になります。

 

このように、同じ240万円の日本車でも、為替(円高・円安)の影響によって価値が変わります。海外の人からすると、円安である「1ドル=120円」のほうが買いやすいということになるのです。

 

つまり、日本の自動車メーカーにとっては「円安であるほど海外に車を売りやすい」ということになります。

 

リーマン・ショックが起こるまでは円安が続いていたので、トヨタやホンダなどの日本の自動車メーカーは大きな利益を得ていました。

 

しかし、リーマン・ショックの影響で日本は急激に円高になってしまいました。

 

上述のとおり、円高(=ドル安)の状態であれば、日本車をはじめとする日本製品が売れなくなります。日本の製品が売れなくなると、その代わりにアメリカ製品が売れていきます。そして、アメリカの企業の業績が上がり、アメリカの経済が活性化していくのです。

 

つまり、アメリカの経済を立て直すために「円高=ドル安」の状態にさせられていたのです。このあたりはどうしても日本の「弱さ」が出てしまいます。

 

そして、その影響はトヨタやホンダなどの自動車メーカーを直撃しました。これらの自動車メーカーはリーマン・ショックのあおりを受け、大きな損害を被ってしまったのです。

 

さらに、大きな損害を被ったのはトヨタやホンダなどの自動車メーカーだけではありません。これらの自動車メーカーの「下請け会社」もリーマン・ショックの影響を受けてしまいました。

 

車は非常に多くの部品から構成されているので、自動車メーカーは複数の下請け会社と提携しています。自動車が売れなくなれば、部品の需要もなくなるため、下請け会社の経営も厳しくなっていったのです。

 

以上のように、「世界的な大不況による車の買い控え」と「リーマン・ショックによる急激な円高」のせいで、日本車は売れなくなってしまいました。

 

トヨタやホンダをはじめとする大手自動車メーカーから下請け会社まで、リーマン・ショックは日本の自動車産業全体に大きな損害をもたらしたのです。


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