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リーマン・ショックが世界経済に与えた影響

リーマン・ショックが世界経済に与えた影響

 

2008年に起きた「リーマン・ショック」は世界経済に大きな打撃を与えました。

 

リーマン・ショックとはアメリカの大手投資銀行である「リーマン・ブラザーズ」が破綻したことをきっかけに起こった世界的な金融不安です。リーマン・ショックの影響は世界中に及び、世界各国が不景気になってしまいました。

 

今回は「リーマン・ショックが世界経済に与えた影響」について解説していきます。世界的な大恐慌がどのような流れで起こり、世界経済にどのような影響を及ぼしたのかをしっかりと読み取っていきましょう。

 

リーマン・ショックの発端となったサブプライムローンの概要

リーマン・ショックが引き起こされたのには、「サブプライムローンの崩壊」が関係しています。

 

サブプライムローンは「住宅ローン」の一種です。サブプライム層(所得が少なく、社会的信頼が低い市民層:アメリカ人の1/4を占めるといわれている)を対象としたローンであることから、このような名称が付けられました。

 

日本にはサブプライムローンのような所得が少ない人を対象にした住宅ローンはありません。なぜなら、そのようなローンを組んでしまうと、銀行は貸したお金を回収できなくなる可能性があるからです。

 

銀行は「ある程度の収入があり、社会的信頼が高い人」に対して住宅ローンを組むことで、数十年に渡って安定した利益を得ているのです。もし、「収入が少なく、社会的信頼が低い人」とローンを組んでしまうと、返済が滞る可能性があります。

 

そのような人が続出すると、銀行は大きな損害を被ることになります。いかに担保となる土地や住宅を入手できるからといって、簡単に現金化できるわけではありません。そのようなリスクを避けるために、銀行には厳格な審査基準があるのです。

 

もちろん当時のアメリカでも、住宅ローンを組むのは銀行の役割でした。しかし、住宅価格の高騰に目を付けた「住宅ローン会社」がサブプライムローンを組むようになったのです。

 

住宅ローン会社とは、「消費者金融」のようなものと思ってください。住宅ローン会社は、銀行では相手にしてくれない低所得者にもローンを組んでいました。その代わりに、高い金利を設定していました。

 

当時のアメリカにはこのような会社が多くあったので、たくさんの人がサブプライムローンを組むことができたのです。

 

仮に返済が滞り、サブプライムローンを回収できなくても問題ありません。住宅ローン会社は担保である土地と建物を取り上げ、それを競売にかけることで利益を得ていました。

 

当時のアメリカの住宅価格は右肩上がりだったため、ローンを回収するより、土地や建物を売った方が儲かったくらいだったのです。

 

住宅ローンを返せなくなった人も、担保である土地と建物さえ渡してしまえば、その後のローンを払う必要はありません。「もし住宅ローンを払えなければ、また貸家に戻ればいい」という気楽な考え方の人が多かったのです。

 

このように、貸し手と借り手の利害が一致し、サブプライムローンはどんどん広がっていきました。

 

サブプライムローンの拡大と住宅バブルの崩壊

住宅ローン会社はサブプライムローンの債券(貸したお金を返してもらう権利)を投資銀行(投資を専門に行う銀行。個人や法人から資金を預かり、企業に融資することで利益を得る「商用銀行」とは対照的な存在)に売りました。債券の売却によって現金を手に入れ、新たなサブプライムローンを組むことが狙いです。

 

この債券には、たくさんの投資銀行が飛びつきました。それほど、サブプライムローンの債券は利益を生む可能性が高かったのです。そして、その筆頭となっていたのが「リーマン・ブラザーズ」でした。

 

債権の移動は投資銀行だけに留まりません。投資銀行はサブプライムローンの債権を小分けにして証券化し、株式や社債などと一緒にパッケージ化して売りました。さまざまな商品を組み合わせることで、商品のリスク分散を図ったのです。

 

この投資商品は「S&P」や「ムーディーズ」などの世界的格付け会社から最高の評価をもらっていました。つまり、信頼性がとても高い金融商品と見なされていたということです。

 

サブプライムローンの債権は購入者にとっても魅力的な商品です。格付け会社から最高評価を得ていることもあり、このパッケージ商品は飛ぶように売れていきました。

 

このような流れでアメリカの「住宅バブル」は拡大していきました。

 

ところが、あるとき住宅価格の下落が始まり、ついには住宅バブルがはじけてしまったのです。

 

そうなると、住宅ローン会社は物件を売却しても利益を得ることができません。むしろ、売れば売るほど損をしてしまう状態になってしまったのです。

 

そして、サブプライムローンの債券を購入していた、リーマン・ブラザーズをはじめとする投資銀行もかつてない大損害を被ってしまったのです。

 

リーマン・ブラザーズの破綻が世界経済に及ぼす影響

住宅バブルが崩壊すると、サブプライムローンの債権やそれが含まれている投資商品の価値はなくなってしまいます。これらの商品が「紙くず同然」になってしまったのです。

 

特に、サブプライムローン関連の商品に多額の投資をしていた「リーマン・ブラザーズ」へのダメージは致命的でした。世界的有数の大銀行でも、これほどの金融不安には対応しきれなかったのです。

 

多少の経営不振の場合は、他の銀行から融資を受けることもあります。しかし、これほどの大損害を被ってしまっては他の銀行も助けようがありませんでした。

 

実際に「バンク・オブ・アメリカ」や「バークレイズ」などの世界的大銀行や日本の大手銀行が「リーマン・ブラザーズ」の買収を検討したといわれています。しかし、負債額があまりにも大きかったため、救済することができなかったのです。

 

さらに、当時のアメリカは共和党が政権運営を行っていました。共和党は民間経済に関与することを嫌うので、リーマン・ブラザーズほどの大銀行の経営が危うくなっても、公的資金を投入することはしませんでした。

 

そして、リーマン・ブラザーズは破綻してしまいました。その影響を受け、銀行をはじめとした金融機関がお金を貸し渋るようになり、世界経済全体が動かなくなっていったのです。

 

もちろん、その影響は日本にも及んでいます。世界中の銀行と同様に、日本の銀行もお金を貸し渋るようになりました。銀行が融資をしてくれないので、たくさんの企業が倒産することになってしまったのです。

 

以上のように、リーマン・ショックは世界経済にとてつもない損害をもたらしました。いかに大手であるとはいえ、たった一つの銀行の破綻から、これほどまでの大不況が起こることもあるのです。


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