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国家財政の悪化と預金封鎖の関係

国家財政の悪化と預金封鎖の関係

 

「預金封鎖」が行われると、私たちが銀行などの金融機関に預けているお金が引き出せなくなってしまいます。そして、最終的には預金のほとんどを国に没収されてしまうのです。

 

いったいどのような事態が起これば、預金封鎖が発動するのでしょうか。また、私たちができる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

今回は「預金封鎖の基礎知識」や「日本や世界で行われた預金封鎖」、そして「預金封鎖の対策」について解説していきます。日本でも過去に預金封鎖が行われたことがあるため、その概要や対策をしっかりと把握しておきましょう。

 

預金封鎖の基礎知識

預金封鎖とは「銀行などの金融機関が資産の引き出しを制限すること」です。預金封鎖が行われると、「1日に1万円しかお金を引き出せない」というような事態が起こります。

 

金融機関は「国の財政がとてつもなく悪化しているとき」に預金封鎖を行います。

 

なぜなら国の財政が急激に悪化すると、多くの国民がお金を引き出そうとするからです。国民は「国家が破産してお金の価値がなくなってしまう前に使ってしまおう」と考え、金融機関を訪れます。

 

しかし、金融機関としては国民の要望に応えることはできません。金融機関は企業や個人に融資しているため、常にたくさんのお金を手元に置いているわけではないからです。いきなり多くの人から「お金を出してください」といわれても対応しきれないのです。

 

そこで預金封鎖を行い、お金の引き出しに制限をかけます。

 

ただ、金融機関が預金封鎖を行うほど国の財政が悪くなっていると、回復する可能性はかなり低いです。実際には「預金封鎖が発動したら、自分の資産はほとんど戻ってこない」と思っておいたほうがよいでしょう。

 

なぜなら、預金封鎖が行われている間に、「通貨切り替え」が行われてしまうからです。

 

通貨切り替えの概要

通貨切り替えとは「現在使われている通貨の流通を停止し、新しい通貨を流通させること」です。その名の通り、国の通貨を切り替える政策です。

 

通貨切り替えは預金封鎖に合わせて実施されます。国と金融機関は預金封鎖でお金の引き出しを制限し、その間に通貨切り替えを行います。そして、今まで使われていた通貨の価値をなくしてしまうのです。

 

その代わりに新しい通貨が発行されますが、国民が受け取れる金額はほんのわずかです。今まで預けていた資産価値には到底及びません。

 

つまり、通貨切り替えが行われたことで、国民は「資産のほとんどを国に没収されてしまった」ことになるのです。

 

日本で行われた預金封鎖と通貨切り替え

実際に日本でも預金封鎖や通貨切り替えが行われたことがあります。戦後に日本の財政が悪化し、預金封鎖が発動しました。そして、「新円切替(通貨切り替え)」が行われたのです。

 

戦後で財政が悪化していたとはいえ、日本でもこのような措置が取られたことに驚いた人もいると思います。

 

ただ、預金封鎖や通貨切り替えを過去の話として終わらせてはいけません。わずかながら、現代でも預金封鎖や通貨切り替えが行われる可能性があるのです。

 

なぜなら現代の国家財政は戦後よりも悪いからです。

 

戦後に預金封鎖が実施されたとき、日本の借金はGDP(国内総生産)の2倍くらいありました。このことを一般家庭に置きかえると、「年収500万円の家庭が、1,000万円の借金を抱えている」ということになります。

 

一方、現代における日本の借金はGDPの約2.5倍です。つまり、数値だけをみると、戦後よりも悪くなっているのです。

 

現代と戦後ではさまざまな状況が異なるので、この数値だけを理由に「預金封鎖が行われる」とはいいきれません。むしろ現代で預金封鎖が発動する可能性はかなり低いです。実際に多くのアナリストも「預金封鎖が行われるとは考えにくい」と予測しています。

 

ただ、「日本の財政がものすごく悪い」ということは理解しておいてください。そして、預金封鎖が行われなくても、自分の資産を守るための対策は講じるべきなのです。

 

世界で行われた預金封鎖

過去に預金封鎖が行われた国は日本だけではありません。アメリカやブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなど、預金封鎖は世界各国で実施されたことがあります。

 

そのなかでも有名なのが、2013年にキプロスで行われた預金封鎖です。当時、キプロスの金融機関はロシアの富裕層から多額の資金を預かっていました。そして、その資金を運用するため、国外にお金を貸し出していたのです。

 

この流れ自体には何の問題もありません。「世の中にお金を回す」のは金融機関の大切な役割です。そしてそれは国内も国外も関係ありません。ただ、キプロスの金融機関の場合は「お金を貸した相手」が悪かったのです。

 

キプロスの金融機関は昔から繋がりが深かった「ギリシャ」にお金を貸していました。ギリシャの国債を大量に購入していたのです。しかし、ギリシャが財政破綻してしまい、キプロスの金融機関は莫大な損失を被ってしまいました。

 

そして、そのときに預金封鎖が発動されました。キプロスのように、現代でも預金封鎖が起こることは十分にありえるのです。

 

預金封鎖の対策:株、不動産、海外資産

預金封鎖が行われても、あらかじめ対策を講じておけば自分の資産を守ることができます。単純な理屈ですが、預金をしなければ資産を失うことはありません。

 

ただ、「預金をしない」というのは現実的な対策ではありません。そうではなく、「預金(および貯金)以外の資産を持つ」ことが有効な対策になります。

 

預金以外の資産の一例として「」や「不動産」が挙げられます。預金を株や不動産に変えておけば、預金封鎖が行われても問題はありません。これらの資産は預金封鎖や通貨切り替えの対象にはならないからです。

 

また、「海外資産を保有する」というのも効果的な対策になります。預金封鎖は国内を対象とした政策なので、海外の資産には影響が及びません。さすがに日本の財政事情を海外まで持ち出すことはできないのです。

 

海外資産を保有する場合は、海外の金融機関と直接契約することが重要になります。日本の銀行や保険会社で「外貨積み立て」をしても意味がありません。

 

これらの資産は日本の金融機関を介して外貨に換えられているので、日本国内の資産として扱われてしまうのです。そして、結局は預金封鎖や通貨切り替えの対象となってしまいます(外資系の保険会社なども日本法人なので同様です)。

 

「純粋な海外資産」を保有するためには、「海外の金融機関」と直接契約する必要があります。「海外の金融機関と契約する方法なんて分からない」という人も多いと思いますが、実際はそこまで難しくはありません。

 

日本には海外の金融機関との契約をサポートしてくれる仲介企業がたくさんあります。そのような企業を介して海外の金融機関と契約すれば良いのです。

 

ただ、悪徳な仲介企業もあるので、そのような業者に依頼することのないように気を付けてください。しっかりと情報を集め、信頼できる企業を見定めてから契約するようにしましょう。

 

以上のように、預金封鎖が行われると通貨切り替えが行われ、私たちの資産が国に没収されてしまいます。ただ、株や不動産、海外資産など、あらかじめ預金以外の形に変えておくことで、自分の資産を守ることができるのです。


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